写真1 NHKが展示するハイブリッドキャストのトップ画面のイメージ
写真1 NHKが展示するハイブリッドキャストのトップ画面のイメージ
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写真2 過去の放送番組のEPG
写真2 過去の放送番組のEPG
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写真3 ハイブリッドキャストのVOD画面
写真3 ハイブリッドキャストのVOD画面
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 NHK放送技術研究所は2013年5月28日、研究成果を公開するイベントである「技研公開2013」のプレスプレビューを開催した。

 「技研公開2013」では、“期待、見たい、感じたい”をテーマに37項目の研究成果を展示する。所長の藤沢秀一氏は、今回の展示の二つの柱として「スーパーハイビジョン」と「ハイブリッドキャスト」の二つを挙げた。

 スーパーハイビジョン(8K)関連では、例えば3300万画素のフルスペックのスーパーハイビジョン映像に対応するイメージセンサーを用いたCube型カメラヘッドを展示する。イメージセンサーとその駆動回路を約10cm角の筐体に納めることで大幅な小型化を実現したという。

 藤沢所長は、「10年ほど前は8K対応カメラの重量は80kgだったが、このカメラヘッドは2kg。それだけ技術は進歩している」としたうえで、「今後、スーパーハイビジョン対応機器の研究開発では、業務でのフレキシビリティーをどう向上するかということが焦点になるのではないか」という見方を示した。

 「ハイブリッドキャスト」に関しては、過去の放送分のEPG(電子番組表)からVODコンテンツを再生するデモなどを行う。トップ画面(写真1)からEPG画面(写真2)に切り替えて、そこから視聴したい番組を選択すると、VODサービスの画面(写真3)が表示される仕組みである。NHKが2013年中に試行的に開始する予定のサービス例として展示する。NHK以外に、民放4局(日本テレビ放送網とTBSテレビ、フジテレビジョン、WOWOW)もハイブリッドキャストを活用したサービス例のデモを実施する。

 これ以外に「インテグラル立体テレビ」(展示するのは従来比10分の1の小型カメラ)や人にやさしい放送(同・気象情報を対象にした手話CGへの翻訳技術など)、「高度番組制作技術」(同・多視点ロボットカメラなど)、「次世代の放送デバイス」(同・有機ELディスプレー)などの展示も行う。

 「技研公開2013」の一般公開は、2013年5月30日から6月2日までの4日間である。5月30日には展示に併せて、新たな放送システムをテーマにした講演会や、スーパーハイビジョンなどについての研究発表会も実施する。週末の6月1日と2日には、ガイドツアー(技研職員が解説しながら引率する視聴者向けのグループツアー)などを行う。

[「技研公開2013」のWebサイトへ]