写真1●ハノーバーフェアーズジャパン 代表取締役の盛健一氏
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写真2●7月1日付で新CEOに就任する、ハノーバーフェアーズジャパン 営業本部長の中山和也氏
写真2●7月1日付で新CEOに就任する、ハノーバーフェアーズジャパン 営業本部長の中山和也氏
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写真3●ドイツメッセ 上級副社長海外アライアンス担当のゲッツ・デルマン氏
写真3●ドイツメッセ 上級副社長海外アライアンス担当のゲッツ・デルマン氏
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 CeBITやハノーバー・メッセなどの見本市を運営するドイツメッセと、その日本法人であるハノーバーフェアーズジャパンは2013年5月28日、都内で記者発表会を開催し、日本法人の新体制や2014年のCeBITについて発表した。

 最初にハノーバーフェアーズジャパン代表取締役の盛健一氏(写真1)は、日独における「見本市」のとらえ方の違いについて、「日本では見本市は製品を見せるための場所と理解する人が多い。しかしドイツでは契約の責任者が来場し、契約を行う場所と認識されている」と説明。「見本市を具体的な商談の場として活用してほしい」と呼びかけた。

 次に盛氏は、7月1日付で日本法人の最高経営責任者に中山和也氏(写真2)が就任することを発表した。中山氏は建設機械や家具、家電など幅広い業界を経験しており、ドイツメッセの見本市で扱う各製品について、それぞれの業界に在籍したことが強みであるという。「見本市に出展する企業は何らかの経営課題を抱えている。見本市を運営する我々にどのようなお手伝いができるのか、ソリューションを提案していきたい」(中山氏)と抱負を語った。

 2014年3月に開催される次回のCeBITについては、「大きく変化する」(中山氏)という。CeBITの前後には、ITから家電まで幅広いジャンルをカバーするCES(Consumer Electronics Show)、モバイルでは世界最大のMWC(Mobile World Congress)、同じくドイツで開催されるIFAといった展示会がひしめいている。この点について、「CeBITが他の展示会とどのように違うのか、明確にしていきたい」として、CeBITの位置付けを見直していく構想を語った。具体的な施策についてはドイツメッセ本社と検討を進め、6月以降に順次発表する予定という。

 CeBITについて、ドイツメッセ 上級副社長 海外アライアンス担当のゲッツ・デルマン氏(写真3)は「デジタル製品やIT業界における世界最大の展示会」と紹介。2013年の出展者は70カ国・4000社、来場者は120カ国から28万5000人、報道関係者は67カ国から4442人が参加したことに触れ、欧州だけでなく幅広い地域から注目されていることをアピールした。さらに「来場者の多くは、一般来場者ではなく購入の決定権があることに注目してほしい」と述べ、BtoBを意識した見本市であることを強調した。

 また会見では、ゲストとしてIT業界で20年以上の取材経験がある日本経済新聞社 編集委員兼論説委員の関口和一氏が登壇。「東芝が世界初のラップトップを発表したとき、CeBITに出展したことでドイツの新聞で大きく報道された」と振り返り、「2013年のCeBITでは、日本からの出展は十数社にとどまったのは残念。いいものを作るだけでは売れない」と指摘。「CeBITはドイツの展示会だが、欧州だけでなくアジアをはじめとする世界中からバイヤーが集まるのが特徴。“内向き”になりがちな日本の見本市とは異なり、世界に向けてアピールできるチャンス」と日本企業に呼びかけた。