写真1●NonStop Application Server for Javaについて説明する、ビジネスクリティカルシステム事業本部長の手島主税氏
写真1●NonStop Application Server for Javaについて説明する、ビジネスクリティカルシステム事業本部長の手島主税氏
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写真2●NonStop機と一般的なPCサーバークラスターの可用性を比較したデモンストレーション画面
写真2●NonStop機と一般的なPCサーバークラスターの可用性を比較したデモンストレーション画面
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2013年5月28日、無停止型サーバー「HP Integrity NonStop」向けに、Javaアプリケーションサーバーソフト「NonStop Application Server for Java」を発表、同日販売を開始した。6月上旬に出荷する。ライセンス価格(税込み)は、「NonStop BladeSystem 54000」(NB54000c)を最小構成(2コア×2CPU)で利用する場合に、43万6800円から。

 無停止型サーバーであるNonStop機(関連記事:OS/ミドルウエアにCPUコアの半分だけ使う廉価版、日本HPがNonStop機で)向けのJavaアプリケーションサーバーソフトである。オープンソース(OSS)のEJBコンテナである「JBoss Application Server 7.1.2」をベースに、同社が開発した独自コードを追加してコンパイルし、ソースコードを公開しない商用製品として提供する。TPモニターと連携してトランザクションの可用性を高められる。JavaVMも同社独自のものを使う。

 製品の狙いは「Javaアプリケーションの可用性を高めること」(同社、写真1)。背景には、幅広い業界のJava/Webアプリケーションが金融情報を扱うなど、ミッションクリティカルなシステムの範囲が拡大しているという状況がある。部品の多重化などによって可用性を追求した無停止型のNonStop機をJavaのプラットフォームに利用することで、Javaアプリケーションの可用性が高まるというシナリオである。

 NonStop機向けの現行ソフトウエアには、Javaアプリケーションサーバーソフトはない(かつては存在した)。このため、今回新規にJavaアプリケーションサーバーソフトを追加した。ベース部分にOSSのJBossを利用した理由は、JBossがJavaアプリケーションサーバー市場において高いシェアを持ち、ソフトウエア自体が優れていることである。一方で、OSSであることのデメリット、つまりOSSの導入が難しい企業が多いという問題は、商用ライセンスとして提供することによって払拭した。

 製品発表会では、NonStop機の可用性と、一般的なPCサーバークラスター(アプリケーションサーバー2台、データベースサーバー2台)の可用性を比較したデモンストレーション試験のビデオを紹介した(写真2)。稼働中のデータベースサーバーの1台(NonStop機ではCPU)を停止させ、その後に全トランザクションの応答時間がサーバー停止前の状態に復旧するまでの時間を計測した。一般的なPCサーバークラスターでは約60秒を要したが、NonStop機は数秒で復旧した。