ブロードメディアの橋本太郎社長
ブロードメディアの橋本太郎社長
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発表会で行われたゲームのデモ。アクションゲームでも違和感なく操作できていた。説明員によれば、音に合わせてボタンを押すようなゲーム(音ゲー)以外は、問題なく遊べるという
発表会で行われたゲームのデモ。アクションゲームでも違和感なく操作できていた。説明員によれば、音に合わせてボタンを押すようなゲーム(音ゲー)以外は、問題なく遊べるという
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テレビとの接続例。中央の白い長方形がG-cluster本体
テレビとの接続例。中央の白い長方形がG-cluster本体
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 ブロードメディアは2013年5月27日、ネットワークからデータを受信して遊ぶタイプのテレビゲーム機「G-cluster(ジークラスタ)」を6月20日に発売すると発表した。5月30日から予約を受け付ける。希望小売価格は、本体のみで9980円、コントローラーが付属する「基本セット」が1万3800円。ゲーム機としての用途のほか、同社の動画配信サービス「T's TV」の受信端末としても利用できる。

 G-cluster本体は、同社のゲームサーバー(Gクラスタサーバー)上のゲームソフトをテレビ画面で操作するための装置。幅49×高さ90×奥行き11mmと一般のゲーム機に比べてかなり小さい。テレビとはHDMIケーブルで接続する。電源供給はUSBケーブルで行う。無線LAN機能で家庭内の無線LANルーターに接続する。快適に遊ぶには、インターネット接続時のスループットが5~6Mbps必要だという。

 ゲームソフトのデータは、セーブデータも含めて全てGクラスタサーバーにある。コントローラーでサーバー上のゲームソフトを操作すると、ゲームの映像がストリーミング配信によって送られてくる。これをG-cluster本体で受信し、テレビに表示する。映像は縦方向の解像度が720pで、およそ毎秒30コマのHD映像として表示される。コントローラーの代替として、手持ちのスマートフォンやタブレットに専用アプリをインストールして操作することもできる。

 G-clusterのゲームは、最初にクレジットカード決済で購入する。発表会では、「イース I & II クロニクルズ」(日本ファルコム)や「Prince of Persia: The Forgotten Sands」(ユービーアイソフト) など、12本のゲームタイトルが紹介された。年間契約であり、価格は1本525~2940円。購入したゲームは1年間何度でも遊べる。購入前に最長10分間の無料試用が可能。

 また、月額525円で、約30本のゲームが遊び放題になる「月額500円プラン」も用意する。既に19社がG-clusterへのゲーム提供を表明しており、ゲームタイトル数は随時増えていく予定だ。なお、2013年6月3日に始まるNTTぷららの「ひかりTVゲーム」も、G-clusterの技術を使用している。

 ブロードメディアの橋本太郎社長は「据え置き型のゲーム機の市場は、携帯電話プラットフォームのソーシャルゲームにかなり浸食されている。しかし、クラウドを利用したG-clusterなら、スマートフォンと組み合わせて遊ぶようなゲームが生まれる可能性もある。そのような工夫で、もう一度ライトゲーマーやコアゲーマーの一部に、テレビを使うゲームに戻ってきてもらいたい。後から振り返ったときに『2013年がクラウドゲーム元年だった』と言ってもらえるように頑張りたい」と意気込みを語った。