写真1 Raspberry Pi Foundation創始者のEben Upton氏
写真1 Raspberry Pi Foundation創始者のEben Upton氏
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写真2 Upton氏がカメラモジュールで会場の様子を撮影しているところ。左手で持っているのがRaspberry Pi、右手で会場にかざしているのがプラスチックケースに貼り付けたカメラモジュール
写真2 Upton氏がカメラモジュールで会場の様子を撮影しているところ。左手で持っているのがRaspberry Pi、右手で会場にかざしているのがプラスチックケースに貼り付けたカメラモジュール
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写真3 OSを自由に入れ替えられるツール「NOOBS」
写真3 OSを自由に入れ替えられるツール「NOOBS」
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 出荷から1年強で120万台が販売された、25ドルからと格安のPC「Raspberry Pi」。日本で初めて開かれたRaspberry Piの大規模イベントで、Raspberry Piの開発者であるEben Upton氏(写真1)が講演し、出荷が始まったばかりのカメラモジュール(25ドル49セント)や、間もなくリリースされるOS起動ツール「NOOBS」(New Out Of Box System)を披露した。

 5月25日に東京で開かれた今回のイベント「Big Raspberry JAM TOKYO 2013」は、日本のユーザー会である「Japanese Raspberry Pi Users Group」が主催。約120人が参加し、Eben氏に続いて、日本人の有志がRaspberry Piの様々な活用法を紹介し、大いに盛り上がった。ブログサーバー「WordPress」の動かし方、プログラミング言語「Scratch」を使う際の裏技、Raspberry Pi専用ケースの作り方などが披露された。

 Eben氏の講演ではまず、Raspberry Piのプロジェクトがどのように立ち上がったかを説明した。Eben氏は2005~2006年に英ケンブリッジ大学でコンピュータサイエンスを教えた中で、安価で自由にプログラミングができるPCが必要と考えた。当初は数百台を製作すること考えていたが、2011年5月にそのプロジェクトを取材した記者が、プロトタイプのボードを紹介する動画をブログにアップしたところ、2日で60万回のアクセスを受けた。ここから、NPO法人「Raspberry Pi Foundation」の設立、実際に安価に作れるボードの設計、英RS Components社などへの生産委託と話が展開し、現在に至ったという。

 その後、披露したカメラモジュールは20×25×10mmと小さいながら、500万画素のセンサーを備え、2592×1944ドットの静止画、1080p、30fpsの動画を撮れる本格的なものだ。会場でLinuxコマンドを実行し、実際に静止画撮ってみせたところ、会場からは歓声が上がった(写真2)。現在は初期生産分がほぼ売り切れ、入手が難しい状況だが、2013年9月ころにはより大規模な生産体制が整う見込みだ。

 その後、様々なLinux OS(ディストリビューション)を自由に入れ替えられるツールNOOBSが披露された。Raspberry Piを利用して動作がおかしくなったときや、別のOSを使いたくなったとき、これまでは作業用PCを使ってOSをSDカードにインストールし直す必要があった。NOOBSをSDカードに入れておけば、電源を入れた時にShiftキーを押しておくことで、OSの選択画面が現れ、いつでも好きなOSをインストールし直せる(写真3)。OSのイメージはインターネット経由で自動的にダウンロードされる。

■変更履歴
当初、タイトルに「Rasberry Pi」とありましたが、正しくは「Raspberry Pi」です。お詫びして訂正します。タイトルは修正済みです。 [2013/08/08 12:50]