米Amazon.comは現地時間2013年5月23日、タブレット端末「Kindle Fire HD」の7型モデルと8.9型モデルを世界170カ国以上の顧客に販売すると発表した。併せてAndroid用アプリケーション配信サービス「Amazon Appstore for Android」を世界のほほ200カ国で始めたことも明らかにした。

 Kindle Fire HDはこれまで、米国、日本、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの7カ国で販売していたが、これを一気に世界170以上の国、地域に拡大する。Amazonは国、地域についての詳細を明らかしていない。だが発表資料で、アイルランドとジブラルタルの顧客は英国サイト「Amazon.co.uk」で、オーストリアとルクセンブルクの顧客はドイツのサイト「Amazon.de」で、モナコの顧客はフランスサイト「Amazon.fr」で、それ以外はAmazonの米国サイト「www.amazon.com/kindlefirehd」で購入できると案内している。いずれも同日から予約受付を開始、6月13日に出荷を始める予定。

 価格はストレージ容量が16Gバイトの7型モデルが214米ドル相当、同16Gバイトの8.9型モデル284米ドル相当。米国ではスクリーンセーバーなどに広告表示するSpecial Offersモデルをそれぞれ199ドル、269ドルで販売しているが、Special Offersは米国限定となるため、海外版はそれぞれ15ドル高くなる。また米国では8.9型にLTEモデルを用意しているが、こちらはまだ日本でも発売していない。今回の発表資料でも同モデルの海外展開について言及していない。

 併せて発表した「Amazon Appstore for Android」は、これまでKindle Fire HDと同様の7カ国で提供していたが、Amazonは2013年4月にこれを数カ月以内に世界約200カ国に拡大すると発表した。その後5月に中国版「亞馬遜應用商店」を開設しており、まもなくブラジル版も始めるとしている。

 Amazon Appstore for Androidは2011年3月に米国で開始したサービス。レコメンデーション機能や「1-Click」注文、アプリを試用できる「Test Drive」、アプリ内課金サービス「In-App Purchasing」といった機能が特徴で、これらが消費者に受け、開発者の収入も伸びているとAmazonは説明している。

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[発表資料(Amazon Appstore for Android)]