写真1●Squareリーダーを取り付けたタブレット端末がレジになる
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写真2●SquareとTwitterを創業したジャック・ドーシー氏
写真2●SquareとTwitterを創業したジャック・ドーシー氏
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写真3●記者会見会場には、Squareでクレジットカード決済できるカフェスペースが用意された
写真3●記者会見会場には、Squareでクレジットカード決済できるカフェスペースが用意された
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 スマートフォンやタブレット端末から利用できるクレジットカード決済サービスを提供する米Squareと同社の日本法人Square(スクエア)は2013年5月23日、日本でサービスを開始した。スマホやタブレットのイヤホンジャックに「Squareリーダー」という切手サイズの正方形(スクエア型)の読み取り端末を取り付け、「Squareレジ」と呼ばれるアプリをダウンロードするだけで、利用を始められる。SquareリーダーとSquareレジは無償で提供する(写真1)。

 米Squareにとって日本は、北米以外では初めての進出地域になる。米Squareは日本でのパートナーとして、三井住友カードと提携した。三井住友カードは同日の記者会見で、米Squareに1000万ドルを出資したことを明らかにした。米国企業以外では、唯一の出資会社となる。

 来日した米Squareのジャック・ドーシーCEOは「日本は中小企業や個人事業者が圧倒的に多い。Squareでクレジットカード決済をもっと広げたい」と語った(写真2)。Squareでクレジットカードを利用する事業者は、1回の取引につき手数料を3.25%負担すればよい。

 北米では既に300万を超える中小企業などが米Squareのサービスを利用している。大企業では、米スターバックスコーヒーが北米の7000店以上で採用している(写真3)。クレジットカード決済の取引高は、年換算で150億ドルに達している。

 日本では、米Squareが持つ加盟店管理システムに、三井住友カードの営業ノウハウを融合。「両社でダブルのチェック体制を敷き、加盟店を開拓していく」と、三井住友カードの島田秀男社長は語る。三井住友カードにはNTTドコモが出資しているため、「ドコモとも今後の協業について既に話し合いを始めている」という。

 米Squareが北米で提供済みである「Squareウォレット」も、近日中に日本で提供を始めたいとしている。Squareウォレットはスマホを使った“顔パス認証決済”とでも呼ぶべきサービス。店舗に自分の名前を告げ、スマホ画面に表示した自分の顔写真を使って本人確認することで、簡単に決済できるサービスだ。

 米SquareのドーシーCEOは、米Twitterの共同創業者としても知られ、米国では花形の連続起業家(シリアルアントレプレナー)として注目を集めている。2013年4月に日本で開催された新経済サミットで基調講演を行ったばかりで、立て続けの来日になった(関連記事:新経済サミット開催 AndroidやTwitterなどの生みの親たちが語る「破壊的イノベーション」)。

 スマホを使ったクレジットカード決済を米国で最初に始めたのは米Squareだが、既に日本では同種のサービスを他社が始めており、新たな競争が始まることになる(関連記事:日本PayPalが「1000円台のスマホ用カード決済機」を全国展開へ、中小に狙い)。