「Going Mobile-モバイルに舵を切ろう!」---米シトリックス・システムズの年次カンファレンス「Citrix Synergy」が2013年5月22日(米国時間)、開幕した。カリフォルニア州アナハイムの会場にはユーザーやパートナーなど6200人以上が詰めかけている。基調講演に登場したシトリックスのマーク・テンプルトン社長兼CEO(最高経営責任者、写真1)は冒頭のように呼びかけ、ユーザー企業のワークスタイルの変革を支援する大きく二つの新製品を披露した。
8クリック、20分で仮想デスクトップ環境
新製品の一つは、デスクトップ環境の仮想化ソフト「Citrix XenDesktop 7」。最大の目玉機能は、Windowsアプリケーションのモバイル利用を促進する「HDX Mobile SDK for Windows Apps」だ。米マイクロソフトの.NET Framework向けに開発したアプリケーションなどをサーバー上で仮想化し、iPadやiPhone、Androidを搭載したタブレット端末で利用可能にする(写真2)。「これまで企業が多くの投資をしてきた既存のWindowsアプリケーションを、今後もモバイル環境で使い続けられる」(テンプルトン社長兼CEO)。当然だが、FlashコンテンツをiPadなどiOS搭載機で再生できる。
HDX Mobileは、iOSやAndroid向けに仮想化したアプリケーションを、携帯電話の3G回線での利用に最適化する機能を持つ。これにより、業務システムをモバイル環境で使うときに壁となりがちなネットワーク帯域の問題を解消。3次元画像や動画の加工のように、パソコンより高性能なワークステーションを使うような作業でも、タブレット端末でほとんど遅延なく実行する。
XenDesktopの新版では、導入作業の簡素化も追求した。テンプルトン社長兼CEOは「わずか8クリックで構成を終え、20分で(仮想デスクトップ環境を)使い始められる」と、環境構築の手軽さを強調した。