写真●FPTコーポレーションのチュオン・ザー・ビン会長兼CEO
写真●FPTコーポレーションのチュオン・ザー・ビン会長兼CEO
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 「スマートな世界の実現に向けて、日本はこれからも世界の先頭を走っていくだろう。ベトナムのIT企業も、ITを通じて世界の発展に貢献していきたい。そのために、引き続き日本と共に歩んで成長していきたい」。ベトナム最大のIT企業、FPTコーポレーションのチュオン・ザー・ビン会長兼CEO(最高経営責任者)は2013年5月22日、日本経済新聞社が開催した「第18回日経アジア賞」の表彰式でこう述べた。

 日経アジア賞は、アジアの安定や発展に貢献するなどの業績を上げた人々を表彰するもの。ビン会長兼CEOはFPTグループをベトナム最大のIT企業に成長させた点や同国のIT産業を発展させた点、IT分野での日本企業との交流を促進したことが評価され、経済発展部門で同賞を受賞した。

 受賞について、ビン会長兼CEOは「当社およびベトナムのIT技術者みんなの努力の結果だ」と述べた。「(システム開発の発注元の)日本企業が我々にチャンスを与え、辛抱強く鍛えてくれたおかげで、ベトナムIT産業はここまで発展できた」と続けた。

 ビン会長兼CEOは1956年生まれ。1979年に旧ソビエト連邦ロモノソフ・モスクワ国立大学の数・力学科を卒業し、1982年に同大学博士号取得。1988年に12人の科学者と共にベトナム初のIT企業であるFPTを創業した。

 創業時から2009年まで会長兼CEOを務め、2008年に同社を売上高10億米ドル、社員数1万3000人のベトナムIT最大手に成長させた。2009年にいったんCEOを退いたが、2012年9月に復帰している。