写真●Biocryptodisk-ISPX Trackの外観
写真●Biocryptodisk-ISPX Trackの外観
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 エムコマースは2013年5月20日、各種の情報漏えい対策機能を自前で備えるUSBメモリー型ストレージ「Biocryptodisk-ISPX Track」(写真)の新版を発表、同日販売を開始した。新版ではデータ記録方式を改善し、CD-ROM(コンパクトディスクを利用した読み出し専用メモリー)の使用を禁止しているパソコンでも利用できるようにした。

 指紋認証とデータ暗号化(AES-256)によってデータの漏えいを防ぐ、USBメモリー型ストレージである(関連記事:エムコマース、接続PCの履歴を記録するUSBメモリー型ストレージを販売)。USBメモリー自身に搭載されている指紋認証デバイスを使って、USBメモリーが自前で認証する(認証時にパソコンのソフトウエアを利用しない)。指紋認証を経て初めて、パソコンからストレージとしてアクセスできるようになる。

 最大の特徴は、いつどのパソコンに接続したのかの履歴を、USBメモリー内に保存できることである。USBメモリーをパソコンに装着すると、情報収集用のプログラムが自動的に立ち上がり、接続しているパソコンの情報を収集して記録する。USBメモリーの個体情報、ユーザー名、コンピュータ名、PCのシリアル番号、PCのCPU ID、PCのHDD ID、利用日時を記録する。

 ただし従来版には、セキュリティソフトによってCD-ROMの使用を禁止しているパソコンでは使えないという弱点があった。プログラム格納用のファイルシステムとして、CD-ROMと同じCDFSを採用していたからである。新版ではCDFSの代わりに、読み出し専用のフラッシュメモリー領域にプログラムを格納するようにした。これにより、CD-ROMの利用を禁じているパソコンでもアクセスできるようになった。

 Biocryptodisk-ISPX Trackの価格(税込み)は、1本当たり2万2890円。

自前で接続PCのアクセス制御も可能に

 新版ではまた、2013年5月末に提供を始めるオプションソフト「ID Loader」の新版と組み合わせることで、USBメモリー単体でパソコンのアクセス制御もできるようにした。具体的には、USBメモリー内のホワイトリストに記載されていないパソコンに接続した場合に、そのパソコンからUSBメモリーを使えないようにする。

 ID Loaderは使用可能なパソコンを制御するソフトだが、従来版では、実際にアクセスを制御するのはパソコン側にインストールするソフトウエアだった。新版ではこれを改め、USBメモリー側にアクセス制御の仕組みのすべてを搭載した。ID Loaderの管理ソフトを使ってUSBメモリー内から使用履歴を抽出し、これを使って使用を許可するホワイトリストを作成。このホワイトリストもUSBメモリー内に保存する。

 ID Loader価格(税別)は、USBメモリーの数に依存せず4万9800円。