米Yahoo!の取締役会が、人気ブログサービスの米Tumblrを買収することを承認したと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal米New York Times米Forbesなど)が現地時間2013年5月19日に報じた。

 これらの報道によると買収金額は11億ドル。Yahoo!はこれを現金で支払う。早ければ現地時間5月20日にも発表するという。Wall Street Journalは事情に詳しい関係者の話として、Tumblrは買収後も独立した企業として大部分の事業を続けると伝えている。

 TumblrはDavid Karp最高経営責任者(CEO)が2007年に設立した会社で、本社は米ニューヨーク市。同サービスでは、写真や動画、テキスト、音声、Web記事の引用、リンクなどを手軽に投稿でき、ブログとソーシャルブックマークを組み合わせたスタイルが人気を集めている。Webサイトのほか、Android、iOS、Windows Phone向けアプリケーションも公開している。

 New York Timesによると、Yahoo!はMarissa Mayer CEO体制の下、ソーシャルメディアやモバイルといった成長市場で遅れを取り戻そうとしており、Tumblrの買収はその一環となる。Wall Street Journalが引用した米comScoreの調査によると、2013年3月時点におけるTumblrのユニークユーザー数は1億1700万人で、1年前の5800万人から急成長している。スマートフォン経由のユニークビジター数も約1200万人と、1年前の400万人から3倍に増えている。これに対し、Yahoo!のスマートフォン経由のユニークビジター数は約8400万人。規模はTumblrを上回るが、1年前からの伸び率は33%増と成長速度はTumblrよりも遅い。

 Yahoo!のMayer CEOは、ソーシャルメディアサービスの開発に力を入れており、これまでも人材獲得を目的として小規模の買収を行っている。Tumblrの買収は、もし成立すれば、Mayer CEO就任以降最大の買収案件となる(関連記事1:米Yahoo!、元従業員が設立した新興企業を買収、パーソナル機能を強化/(関連記事2:米Yahoo!、17歳の起業家が設立したモバイルアプリ開発企業を買収)。