電通と富士通は2013年5月16日、マーケティング領域でのビッグデータ活用支援で協業すると発表した。ビッグデータの活用に関するコンサルティングサービスを共同で提供するほか、新サービスの開発において協働する。

 具体的な協業の取り組みとしては、まず、3つのコンサルティングサービス「マーケティング・デザイン」「事業開発プロデュース」「導入ワークショップ」を共同提供する。

 「マーケティング・デザイン」では、顧客企業が所有する業務データやセンサーデータに、SNSや地域特性情報などの外部データを組み合わせて分析し、マーケティングの新しい課題の発見、戦略の立案と実施までをワンストップで行う。「事業開発プロデュース」は、ビッグデータを活用した新事業の開発を支援するコンサルティングプログラムだ。データ保有企業とデータを活用するサービス事業者のマッチングサービスなども提供する。また、「導入ワークショップ」は、顧客企業においてビッグデータを活用するための体制を整備することを目的に、マーケティング部門やIT部門など複数部署を横断して実施するプログラム。マーケティング活動や製品サービスについての課題や取り組むべきテーマを抽出し、それに基づいてマーケティングプロセスの全体像を構築する。

 さらに2社は、ビッグデータを活用した新サービスの開発でも協働する。第1弾として、富士通が提供するクラウドサービス「肌メモリ」に蓄積される肌データを分析・加工して、サービス事業者などへ提供する。

 肌メモリは、スマートフォンのカメラで撮影した肌画像から、シミ・毛穴・肌の色の状態を測定する機能をクラウドで提供するサービス。今回は、調査会社のビデオリサーチの協力を得て、ビデオリサーチの調査員に肌メモリを定期的に使ってもらうことで肌状態のデータをクラウド上に収集する。同時に、調査員の生活習慣に関するアンケートデータを収集。肌状態と生活習慣の関連性データを抽出し、サービス利用や商品開発の参照データの用途で販売する。

 今回の協業によるコンサルティングサービスや新サービスは、電通グループが提供するマーケティング支援ITサービス「マーケティング・クラウド」の一部という位置付けだ。