欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は現地時間2013年5月15日、中国から輸入されるモバイル通信ネットワーク機器に関して、反補助金支援と反ダンピングの調査を行う用意があることを明らかにした。

 調査の対象となるのは、通信サービスプロバイダーが採用するモバイル通信ネットワークおよびその基本要素となる機器で、携帯電話やモデムなどエンドユーザー向けの端末は含まない。

 なお今回決定した調査は、欧州企業からの苦情に対応するものではなく、EC自身の判断にもとづく貿易救済措置だという。ECは、安価な輸入製品が欧州企業に与える影響を懸念している。

 ただしこれは原則的な決定であり、「調査は当面開始せず、中国当局と友好的な解決法を探る交渉を進める方針」だとしている。

 ECは具体的な中国メーカーや製品、および影響を受けていると思われる欧州企業を特定していないが、米メディアの報道(New York Times)によると、スウェーデンEricsson、フィンランドNokiaとドイツSiemensの合弁Nokia Siemens Networks、フランスAlcatel-Lucentなどが、中国のHuawei Technologies(華為技術)やZTEの廉価製品によって業績悪化に苦しみつつも報復行為をおそれて正式に苦情申請できずにいると、欧州当局者は指摘している。

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