写真●サーバー配信機能の設定項目例(FTP/FTPSの接続先)
写真●サーバー配信機能の設定項目例(FTP/FTPSの接続先)
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 シックス・アパートは2013年5月15日、CMS(Webコンテンツ管理システム)ソフト「Movable Type」(MT)のクラウドサービス版「Movable Type EZ」(MTEZ)を強化し、CMSサーバーとコンテンツ公開サーバーを分離できるようにしたと発表した。これにより、任意のWebサーバーに対してコンテンツを配布/更新できるようになった。今後、ソフトウエア版にも同機能を実装する予定。

 Movable Typeは、Webサイトのコンテンツ生成を支援するCMSソフト。社内報や社外向けコーポレートサイトのように、定期的に情報を公開/更新するタイプのWebサイトを、効率よく生成/管理できる。2012年9月からは、それまでの売り切り型のソフトウエア版に加え、CMSサーバー機能を月額制のクラウドサービスとして提供するクラウド版の提供を開始している。

 今回、クラウド版であるMTEZの機能を強化し、MTEZの本体であるCMSサーバーとは異なるWebサーバーにFTP/FTPS経由でコンテンツを配信する「サーバー配信機能」を追加した(写真)。MTEZはIDCフロンティアの仮想サーバー環境で動作しているが、コンテンツを公開するWebサーバーとして任意のWebサーバーを利用できるようになる。MTはコンテンツを静的ページとして生成する仕組みを採用しており、こうして生成した静的ページを他のWebサーバーにコピーする形である。

 さらに、コンテンツや設定ファイルなどを一式まとめて自動的にバックアップする機能を強化した。これまでは、あらかじめ設定したスケジュールに従って過去7日分(最大10世代分)のバックアップデータをローカルサーバー環境に保存していた。今回さらに、シックス・アパートが契約しているオンラインストレージ(Amazon S3)に1日1回、データをバックアップできるようにした。複数手段/複数拠点でバックアップを取ることで、より可用性が高まった。

 MTEZの料金は、最安値プラン(サーバー性能が最も低くコンテンツ再構築に最も時間がかかるプラン)で月額9975円(税込み)、最上位プラン(最も高速にコンテンツを再構築できるプラン)で月額1万9950円(同)。なお、MTEZのサーバー環境は、Webサーバーがnginx、アプリケーションはPerl(Starman)とPHP(PHP-FPM)、データベースはMySQL、キャッシュはMemcached。