富士通は2013年5月14日、同社のクラウド製品やサービス群を「FUJITSU Cloud Initiative」として新たに体系化すると発表した。これに伴い、10種類の新クラウドサービスを提供する。

 新たに提供するサービスは、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)2種、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)4種、クラウドインテグレーションサービス4種。ほかにも既存のPaaSとセキュリティサービスの一部を強化する。

 IaaSとして新たに加わるのは、(1)パブリッククラウドサービス「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5専用サービス」(5月提供開始)と、(2)プライベートクラウドサービス「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted」(7月提供開始)の2つだ。

 FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5専用サービスは、パブリッククラウドサービスでありながら、物理サーバー、ストレージ、ネットワーク環境のリソースを顧客専用に提供、個人情報を扱う行政機関や医療機関などでもパブリッククラウドを利用できるようにする。一方のFUJITSU Cloud IaaS Private Hostedは、顧客の要件に応じて個別にカスタマイズする。

 PaaSとしては、(1)クラウド連携・統合基盤の「FUJITSU Cloud PaaS RunMyProcess」(第2四半期提供開始)、(2)SaaSアプリケーション開発共通基盤の「FUJITSU Cloud PaaS Cloud Service Enabler」(6月提供開始)、(3)ソーシャル連携を実現する基盤サービス(第3四半期提供開始)、(4)モバイル活用を実現する基盤サービス(第3四半期提供開始)が新たに追加される。

 FUJITSU Cloud PaaS RunMyProcessは、クラウドサービスやオンプレミス上の様々なサービスやデータを連携・統合した新業務システムの構築を支援する。デザインツールを利用したワークフローやWeb画面の作成、約1800種のコネクターなどにより、パブリッククラウドとの統合が可能だという。FUJITSU Cloud PaaS Cloud Service Enablerは、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の構築および運用に必要なマーケットプレイス、ID管理、課金などの機能を標準基盤として提供する。

 クラウドインテグレーションサービスとしては、(1)「FUJITSU Cloud Integration Serviceクラウド導入アセスメントサービス」、(2)「FUJITSU Cloud Integration Serviceクラウド導入サービス」、(3)「FUJITSU Cloud Integration Serviceクラウド運用管理サービス」(5月提供開始)の導入前から運用管理までの各種サービスと、(4)マルチクラウド環境の統合運用を実現するサービス(第2四半期提供開始)が新たに加わる。

 インテグレーション体制も強化し、100人のクラウドスペシャリストと2000人のクラウドインテグレーターが対応する。クラウドサービスの組み合わせの選択から企画、設計、提案は最短3日で、導入および稼働は最短2週間で実施するとしている。