米Amazon.comが、ディスプレイ技術を手がけるオランダの企業を韓国Samsung Electronicsから買収したと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal英Reuters米Forbesなど)が現地時間2013年5月13日に報じた。

 Reutersによると、Amazon.comが買収したのはLiquavistaという企業。Samsungは同社を2011年1月に買収したが、その後1億ドル未満で売却先を探していた。

 Liquavistaは、Philips Research Labsから分離独立した企業。「エレクトロ・ウェッティング(electrowetting)」と呼ぶ技術を基盤とした、反射型ディスプレイを開発している。同社によると、このディスプレイは少ない消費電力で、太陽光の下などの明るい場所でも画像を鮮明に表示できる。現行のLCDと同様にフルカラーの画像を表示する性能を備え、電子書籍端末や携帯電話、ナビゲーション機器、ポータブルメディアプレーヤー、カメラなど、さまざまな製品に応用が可能という。

 Wall Street Journalは、Amazon.comの広報担当者が現地時間5月13日に、Liquavistaの買収を認めたと伝えている。ただし「(Liquavistaは)多くの可能性を持つ素晴らしい技術を開発しており、われわれは興奮している」とだけ述べ、今後の事業計画については明らかにしていない。同紙は、Amazon.comがLiquavistaのディスプレイを備えた電子書籍端末を市場投入すれば、既存ユーザーの買い替えを促したり、新規顧客を獲得したりできるのではないかと伝えている。