6月25日付で社長に就任する現・取締役副社長の前西規夫氏
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TIS代表取締役会長兼社長の桑野徹氏
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 ITホールディングズは2013年5月13日、記者向けに2013年3月期連結決算の説明会を開催した。売上高は3378億3400万円(前年度比3.2%増)で、営業利益は181億7100万円(同16.3%増)と増収増益だった。

 クレジットカードの法令対応でIT投資が増えたほか、グループ会社のAJSが手掛ける旭化成の基幹業務システム刷新などが寄与したという。部門別では、「金融ITサービス」が売上高714億9900万円(同2.0%増)で営業利益は60億2100万円(同32.8%増)、「産業ITサービス」は売上高1556億8900万円(同4.2%増)で営業利益は49億9200万円(同87.8%増)だった。データセンター事業などを手掛ける「ITインフラストラクチャーサービス」の売上高は1126億6600万円(同1.2%増)だが、営業利益が71億100万円(同11.8%減)となった。先行投資や電力料金の値上げなどが影響したという。

 2014年3月期は売上高3450億円、営業利益205億円を見込む。円安などを背景に製造業のIT投資を期待するほか、カードやメガバンク、保険業界でも堅調なIT投資が継続するとみている。「当社グループの強みをさらに強くして、業績回復を確実にすべく、成長軌道に乗せる。ビジネスモデルごとに再編し、グループ全体で最適化を図っていく」(取締役副社長の前西規夫氏)。

 傘下のTISグループでも改革を進めており、2013年4月にクラウドビジネス推進部が発足したほか、事業横断組織として「アプリケーション開発センター」も設置した。「成長戦略に向け、サービス型事業や生産革新をさらに推進していく」(TIS代表取締役会長兼社長の桑野徹氏)。ソランやユーフィットと3年計画で進めていた統合化も、1年前倒しにできたという。

 ITホールディングス代表取締役社長の岡本晋氏の退任も発表した。リーマン・ショック後の業績悪化に歯止めがかかり、ようやく底を脱したことがきっかけという。取締役副社長の前西氏が6月25日付で新たに代表取締役社長に就任する。