写真●NTTドコモとパイオニアの業務提携の概要(発表資料から抜粋)
写真●NTTドコモとパイオニアの業務提携の概要(発表資料から抜粋)
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 NTTドコモは2013年5月13日、テレマティックス分野への本格参入に向け、パイオニアと業務・資本提携すると発表した。パイオニアの第三者割当増資を引き受け、約7%の株式を取得する。取得価額は約50億円。高度な交通情報を生成できる交通クラウド基盤を共同で開発し、新サービスを年内に始める計画だ。

 NTTドコモはこれまでもパイオニアと協力して、ドライバー向けの情報配信サービス「ドコモドライブネット」を展開してきた。NTTドコモの音声エージェント機能「しゃべってコンシェル」と、パイオニアが保有する渋滞情報や駐車場情報、周辺情報などを組み合わせ、ルート設定や目的地検索を音声で簡単にできるようにする取り組みなども進めている。

 今回の提携では、まずパイオニアが調達した資金を活用して次世代渋滞情報システムを構築する。パイオニアのカーナビだけでなく、ドコモドライブネットを利用するスマートフォンやタブレット端末からも位置情報や渋滞情報を収集。VICSのデータも組み合わせ、渋滞情報をリアルタイムに生成・解析できるようにする。

 NTTドコモは同システムを活用し、個人向けにはカーナビや音楽、ドライブレコーダーなど、法人向けには動態管理や車両情報管理、自動車保険などのサービスをそれぞれ提供する計画(写真)。新しいクラウド基盤ならびにサービスに対応した車載機器や通信モジュールの普及も共同で推進していく。

 パイオニアは同時に三菱電機からも約38億円の追加出資を受ける予定。三菱電機とは、次世代カーナビゲーションシステムの共同開発などを進めていく。