写真●IPA 理事長 藤江一正氏(左)とRubyアソシエーション 理事長 まつもとゆきひろ氏(右)[写真提供:Rubyアソシエーション]
写真●IPA 理事長 藤江一正氏(左)とRubyアソシエーション 理事長 まつもとゆきひろ氏(右)[写真提供:Rubyアソシエーション]
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 Rubyアソシエーションと情報処理推進機構(IPA)は2013年5月13日、「Ruby規格保守等基本契約」を締結、島根県松江市で調印式を実施した(写真)。これまでIPAが担っていたRuby言語仕様の国内・国際規格文書の保守を、今後はRubyアソシエーションが引き継ぐ。

 IPAは2008年に2008年に「Ruby 標準化検討ワーキンググループ」を設置し、Ruby言語仕様の規格文書を策定してきた。IPAが作成した原案をもとに、2011年3月にJIS規格(JIS X 3017)、2012年4月に国際規格ISO/IEC 30170が発行された。

 Rubyアソシエーションは、2011年7月に一般財団法人として設立された、Rubyの普及推進などを行う団体。Rubyの作者であるまつもとゆきひろ氏が理事長を務める。

 規格の保守とは、規格の誤りを修正するとともに、最新のRuby言語と規格の内容が整合性を保つよう、Ruby言語の発展に合わせて規格を改訂する業務。IPA 理事長 藤江一正氏は「IPAでは2008年よりRuby言語仕様の規格化に取り組み、規格化まで到達した。今後、規格がより多くの方に利用され、永く利用されるようにするためには、産業界に規格の保守をお任せするのが望ましい」とRubyアソシエーションに引き継ぐ理由を語った。

 まつもとゆきひろ氏は「Rubyの発展にあわせた改訂などは全世界のRubyコミュニティと一緒にやっていきたい。また、OSSらしく、議論や文書作成ではインターネットを活用するなど低コストで取り組む。保守、改訂の作業を継続的に取り組んでいきたい」と今後の取り組み方針を表明した。