写真1●Anuta nCloudXのネットワーク設計画面
写真1●Anuta nCloudXのネットワーク設計画面
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写真2●Anuta nCloudXのサービスカタログ画面
写真2●Anuta nCloudXのサービスカタログ画面
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 ネットワールドは2013年5月13日、クラウド運用基盤ソフトの一つとして、既存のネットワーク機器をそのまま使いながら動的にネットワークをプロビジョニングできるようにする「Anuta nCloudX」(写真1写真2)を発表、同日販売を開始した。抽象化したネットワークの構成アイコンをGUI上で並べて、ネットワークを構築/配備できる。これにより、クラウド事業者がユーザー企業に対してネットワーク構成をサービスカタログ化して提供できるようになる。販売目標は3年間で20億円。開発会社は、米Anuta Networks(アヌータ・ネットワークス)。

 仮想サーバーを利用したネットワーク機器やSDN(Software Defined Networking)専用に設計されたネットワーク機器のように、既存の主要なネットワーク機器のネットワーク設定をクラウド運用基盤ソフトから動的に組み替えられるようにするソフトである。必要なネットワーク構成をサービスカタログ化し、これを外部のクラウド運用基盤からREST API経由で指定するだけで配備できるようにする。構成要素となる個々のネットワーク機器の設定は、これまで通りコマンド(CLIやAPI)を介して変更する。

 機能ソフト(エンジン)として、論理デザイナー、実際の機器への設定の反映、配備後のSLA監視などを提供する。例えば、デザイナーの「Network Service Design Engine」は、抽象化されたネットワーク機器のアイコンを並べてネットワーク構成のひな型(サービスカタログ)を設計できる。設定反映ソフトの「Network Service Orchestration Engine」は、サービスカタログの通りに動作するために必要な設定を、実際のネットワーク機器に対して施す。

 動的に設定を反映できる物理的なネットワーク機器は、記事執筆現在、米Cisco Systems、米F5 Networks、米Citrix Systems(NetScaler)、イスラエルCheck Point Software Technologiesなど。今後、米Juniper Networksや米Palo Alto Networksなどの機器も利用できるようにする予定。VMwareなど仮想サーバー技術を用いたネットワーク機器(VMware分散仮想スイッチや、Cisco Nexus 1000V、BIG-IP、Riverbed Stingray ADCなどの仮想アプライアンス)も利用できる。

 既存のネットワーク機器に加えて、外部のSDN製品(Nicira、Big Switch Network、Pica8など)も、Anuta nCloudXの配下に置いてネットワーク構成要素として利用できる。これらSDN製品のコントローラーと連携するコネクター(OpenFlow Connector)も提供する。

 Anuta nCloudXの価格(税別)は、Anuta nCloudXで構成したネットワークに対するサーバーからのアクセスポート数で決まる。具体的には、1ポート当たり9万円(初年度のソフトウエア更新サポートを含む)で、2年度以降のソフトウエア更新サポート(必須ではない)は、1ポート当たり年額1万8000円。