写真●電通国際情報サービスの釜井節生社長
写真●電通国際情報サービスの釜井節生社長
[画像のクリックで拡大表示]

 電通国際情報サービス(ISID)は2013年5月10日に連結決算を発表した。2013年3月期は売上高が727億6400万円で前年度比13.9%増、営業利益は41億9200万円の同78.5%増と大幅に伸びた。

 電通向けの基幹業務システム開発が寄与しており、部門別でも電通関連の「コミュニケーションIT」の売上高が188億9700万円(同51%増)となった。次いで、「金融ソリューション」の売上高も203億5700万円(同14.9%増)と好調で、ネットで金融情報を提供する子会社のISIDフェアネスの新規連結効果があったという。自動車など製造向けの「エンタープライズソリューション」の売上高は、設計分野などの「エンジニアリング系」は203億9200万円(同4.2%増)だったが、会計分野などを扱う「ビジネス系」は131億1700万円(同6.7%減)となった。

 14年3月期は電通のプロジェクトが一段落するため、既存市場をさらに深掘りするほか、新分野にも積極的に手を広げる。

 4月にはエンタープライズソリューション分野の組織を再編し、これまでエンジニアリング系とビジネス系に分かれていたエンタープライズソリューションの部門を1つに統合した。製品開発ソリューションと、会計や人事のソリューションを互いのユーザー企業に売り込めるようにする。まずは自動車業界をターゲットに、戦略的なアプローチを図るという。

 製品開発のコンセプト段階など、いわば構想設計の業務を支援できるようにした「iQUAVIS(アイクアビス)」の販売にも注力する。「自動車業界に実績があり、設計・開発の上流工程を前倒しで検討できるなど、ユーザー企業からも注目されている。今後、さらに機能を拡充し、ITプラットフォームのような位置づけにしたい」(釜井節生社長)。

 このほか電通との協業を推進し、ネットを利用したマーケティング分野なども強化。14年3月期は、売上高が755億円で営業利益は44億6000万円を見込む。