写真●日立製作所の中村豊明副社長
写真●日立製作所の中村豊明副社長
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 日立製作所は2013年5月10日、2013年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年度比6.5%減の9兆410億円、営業利益は同2.4%増の4220億円、純利益は同49.5%減の1753億円だった。

 HDD事業を売却したことなどが響き、国内と海外のいずれも売り上げを減らした。記者会見した中村豊明副社長(写真)は「事業売却の影響を補正すると、売上高は前年度と比べてほぼ横ばいだった」と説明した。連結売上高に占める海外売上高の比率は、前年度比で2ポイント減少し、41%になった。

 情報・通信システム部門は、売上高が前年度比1%増の1兆7865億円、営業利益は同3%増の1046億円だった。ITサービスの不採算案件に苦しんだ一方で、海外でのストレージソリューションとATMが好調で、増収増益を達成した。同部門の海外売上高は4581億円と前年度比で5%伸びた。

 中国向けの昇降機事業が好調だった社会・産業システム部門と、日本AEパワーシステムズから電力流通事業の一部を承継した電力システム部門が増収増益を達成した。一方で、電子装置・システム部門や高機能材料部門が不調だった。

 2014年3月期の連結業績は、売上高が前年度比1.8%増の9兆2000億円、営業利益が同18.5%増の5000億円になる見通し。

 情報・通信システム部門の2014年3月期の売上高は前年度比2%増の1兆8200億円、営業利益は同15%増の1200億円と予想する。「(2013年3月期に発生した)サービスにおけるプロジェクトの赤字を収束させることで、増益を見込む」と中村副社長は述べた。