WOWOWの代表取締役社長の和崎信哉氏は2013年5月9日の定例会見で、WOWOWの動画コンテンツの一部を無料で配信する新サービス「W流」を2013年4月30日に開始したと報告した。

 W流では、スポーツ中継のダイジェスト映像や、歌手やスポーツ選手のインタビュー、映画の予告編などの動画を視聴できる。WOWOWに加入していなくても利用できる。現在のコンテンツ本数は520本程度である。

 W流のWebサイトには、ユーザーが選択した動画コンテンツと関連性の高い動画を表示できる機能を搭載した。例えばテニスの「全豪オープンテニス」のダイジェスト動画を選んでこの機能を利用すると、スポーツつながりでスペインサッカーのスーパープレイ動画集などのサムネイルが表示される。現在はパソコンのみに対応するが、2013年度第2四半期にはスマートフォンやタブレット端末でも利用できるようにする方針である。

 和崎社長は、W流を開始した背景について、「新聞広告やテレビCMといった従来のアプローチではエンターテインメントへの関心のある人のすべてをカバーできず、一部取りこぼしが出ているのではないかという思いがあった」と説明した。「WOWOWに加入していないが、エンターテインメントへの感度の高い人にWOWOWのコンテンツの面白さを知ってもらいたい。W流を通じてこうした層とコミュニケーションを深めていきたい」とした。

中長期ビジョンの策定にも着手

 今回の会合では、WOWOWの中長期的なビジョンである「ビジョン2020」の策定に向けた検討を進めていることも明らかにした。WOWOWはビジョン2020を、「メディア環境が激変するであろう2020年に向けたWOWOWの理念」(和崎社長)と位置付けている。

 和崎社長は「2014年には4K放送のトライアルが、2016年には8Kのトライアルが予定されている。2020年にはおそらくほとんどのテレビが4K/8K対応テレビに置き換わり、スマートテレビの普及も進んでいるだろう」という見方を示した。ビジョン2020の発表時期は2013年6月を予定する。

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