写真●ESET ASIA マーケティングディレクターのパーヴィンダー・ワリア氏
写真●ESET ASIA マーケティングディレクターのパーヴィンダー・ワリア氏
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 キヤノンITソリューションズは2013年5月7日、法人用セキュリティソフト「ESET Endpoint Security for Android」のベータ版の提供を開始した。Android OS搭載端末向けに、ウイルス対策やスパムメール対策、盗難対策の機能を提供する。法人向けの独自機能としてリモート管理の機能を搭載した。開発元はスロバキアESET。

 ESET Endpoint Securityは、Windowsクライアント/Windowsサーバー/Macクライアント/Linuxサーバーに対応するマルチプラットフォームの法人向けエンドポイントセキュリティ製品。今回、Android版を開発し、評価モニター向けにベータ製品の提供を開始した。ベータ版の提供期間は5月7日から5月24日(利用は5月31日まで可能)。

 Android版は、Android端末にインストールするエージェントと、クライアント管理用のサーバーソフト「ESET Remote Administrator」で構成される。

 ウイルス対策では、エージェントによるリアルタイム検査と手動検査によって、マルウエアや不正なアプリケーションを検知する。スパムメール対策として、定義したルールに基づいてSMSメッセージの受信、電話の着信/発信をブロックする機能を提供。さらに、端末紛失時に、SMSでリモートロック/リモートワイプする機能、GPS機能を使って端末を探すリモートファインド機能を備える。

 登録したSIMカード以外では端末を使用不可にすることが可能。万が一、端末が盗難されて、登録のないSIMカードが挿入された場合には、「トラステッドフレンド」としてあらかじめ登録した連絡先(IT管理者のアドレスなど)にSIMカードの番号などを記したSMSを送信する。このとき、端末には送信ログが残らない。

 ESET ASIA マーケティングディレクターのパーヴィンダー・ワリア氏(写真)は、新製品について、「ESETがPC向けに提供してきたセキュリティソフトと同様に、システムのメモリーフットプリントが軽いことが特徴だ」と説明した。同ソフトのエージェントの動作に必要なRAM使用量は5MB程度だとする。

 法人向けの独自機能として、ESET Remote Administratorによるリモート管理機能を搭載した。端末の設定やログ情報の閲覧、オンデマンド検査の実行、ウイルス定義ファイルのアップデートといった操作を、システム管理者がリモートで実施できる。ESET Endpoint Securityを導入しているWindows、Mac、Linuxと一元的に管理することが可能だ。

 日本市場での戦略について、ワリア氏は、「まずは、ベータ版を広く日本のユーザーに評価してもらい、フィードバックを反映して製品レベルを高める。その後、PC版のESET Endpoint Securityを導入している企業をターゲットとして、Android版を提供していく計画だ」と述べた。国内では、2003年の提供開始から10年間で、累計15万5000社がPC版を導入しているという。

■変更履歴
当初第6段落目で「RAM使用量は、最大で5MB程度だとする」としていましたが、正しくは「RAM使用量は5MB程度だとする」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/05/13 18:15]