写真1●米Pivotal CEOのポール・マリッツ氏
写真1●米Pivotal CEOのポール・マリッツ氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●Pivotalの全体像
写真2●Pivotalの全体像
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●Data Fabricの概要
写真3●Data Fabricの概要
[画像のクリックで拡大表示]
写真4●Pivotal Oneの開発計画
写真4●Pivotal Oneの開発計画
[画像のクリックで拡大表示]

 ラスベガスで開催中の「EMC World 2013」。2日目となる5月7日(米国時間)の基調講演で、米Pivotal CEOのポール・マリッツ氏は、「次世代アプリケーション」のプラットフォーム「Pivotal」を披露した(写真1)。米EMCが2012年3月に買収した米Pivotal Labsを母体に、EMCと米ヴイエムウェアがソフトや人的資源を持ち寄って作った製品だ。
 
 「ビッグデータやファーストデータ(リアルタイムデータ)を活用した、新しいタイプのアプリケーションを開発するためのプラットフォーム」。マリッツ氏はPivotalのコンセプトをこう説明した。Pivotalは様々な製品から成るが、「Data Fabric」「Application Fabric」「Cloud Fabric」の大きく三つの機能で構成する(写真2)。

 Data Fabricは、データ処理の拡張性や、コストや信頼性の向上を担う。分散バッチ処理ソフト「Apache Hadoop」向けのファイルシステム「HDFS(Hadoop Distributed File System)」がベースである(写真3)。Pivotalでは、その上にスケールアウト型のインメモリーテクノロジーを実装した。具体的には「GreenplumのテクノロジーをHDFS上に組み込み、インメモリーでの並列処理を可能にした」(マリッツ氏)。Greenplumは2010年にEMCが買収したデータベース管理システムである。

 App Fabricはヴイエムウェアが持つJavaフレームワーク「Spring」などを活用する。「各種コネクターの利用により、古いアプリを次世代アプリへ連携することができる」(マリッツ氏)。

 Cloud Fabricは、オープンソースのPaaS構築ソフト「Cloud Foundry」がベース。「ゆるく言えばクラウド時代のOSの役割」(マリッツ氏)というように、開発したアプリケーションをどのクラウド基盤に配置するかを決める。ヴイエムウェア「vCloud」や、マイクロソフト「Windows Azure」、「Amazon AWS」など選択肢は豊富だ。

 最初の製品となる「Pivotal One」は、2013年第4四半期に提供する計画だ(写真4)。「必要な機能から順次提供するので、全部そろわなくても試せるので使ってみてほしい」(マリッツ氏)。