情報処理推進機構(IPA)は2013年5月1日、スマートフォンのアプリを利用した新しい手口のワンクリック詐欺を確認したとして、ユーザーに注意するよう呼びかけた。また、Webサイトで対処法を解説している。

 同機構は3月、アダルトサイトの請求画面を表示させるだけの新たなワンクリック請求アプリをGoogle Playで複数種確認した。これらのアプリは、実行するとアダルトサイトが立ち上がり、「登録されました」という内容と請求画面を表示する。

 インストールしただけで端末から個人情報を抜き取るような被害は起きないが、だまされたと思ったユーザーが心理的に追い込まれて金銭を支払ってしまう可能性があるため、注意が必要という。

 従来のスマートフォンでの不正アプリは、個人情報を外部に送信する仕組みになっているものが多く、インストール時にアクセス権限の許可を確認することで回避できた。しかし、新タイプのワンクリック請求アプリは、要求するアクセス権限が「ネットワーク通信」だけのため、詐欺アプリであることに気づきにくいという。

 対処法は、Android端末では、端末を再起動すれば請求画面は表示されなくなるので、その後、アプリをアンインストールする。

 iPhoneやiPadの場合は、アプリを使わずにメールやインターネット検索から請求サイトに誘導しようとする。請求画面はブラウザーに残ったキャッシュであるため、Safariのタブ一覧削除や履歴の消去で表示されないようにできる。