伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2013年5月1日、2013年3月期の連結決算を発表した。売上高は3224億7500万円で前年度比8.3%増、営業利益は271億8700万円で同9.6%増と、増収増益だった。

 分野別では、製造業向けの売り上げは939億円とほぼ横ばい。金融は237億円で流通が326億円と、両分野はいずれもマイナスだった。一方で、携帯キャリア向けネットワーク案件や郵便向け共通基盤案件が大幅に伸長するなど、情報通信分野が同26%増の1422億円と業績に大きく貢献した。

 ビジネスモデル別に売り上げをみると、開発・SIが649億円(同3.2%減)だが、サービスが1350億円(同3.4%増)で製品は1224億円(同22.4%増)となった。サービスや製品の売り上げが増えた理由も、携帯キャリアや郵便向けの保守・運用関連やネットワーク製品、サーバー、ストレージなどが伸びたためという。

 2014年3月期は売上高3450億円、営業利益280億円を見込む。円安の影響で製造業などのIT投資回復のほか、情報通信分野の一層の強化を狙う。流通分野は組織体制を見直し、さらに深耕していく。公共・公益向けビジネスも拡大する。

 「海外進出した日系企業向けのサービスも順調で、今後はアジア展開をさらに強化していく。すでにタイ企業に出資したほか、マレーシアやシンガポールの現地企業2社も傘下におさめた。現在は170億円ぐらいだが、2015年度には約400億円と海外売上高を全体の10%以上にしたい」(菊地哲社長、関連記事:IT準大手のASEAN進出が加速、買収や合弁で現地市場攻略)。