写真1●KDDIの田中孝司社長
写真1●KDDIの田中孝司社長
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 KDDIは2013年4月30日、2012年度(2012年4月~2013年3月期)の通期連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.5%増の3兆6623億円、営業利益は同7.3%増の5127億円の増収増益となった。純利益は同1.2%増の2415億円である。

 同社の田中孝司社長(写真1)は今回の決算について、「2012年度は成長起点の年となった。期初に目標としてきた営業利益の5000億円超、au通信ARPU(データARPU、音声ARPUに割引適用額を差し引いた値)の月次ベースの底打ち、3M戦略による競争優位性をほぼ確立できた」とまとめた。

 成長のドライバーとなるARPUだが、2012年度第4四半期には事業者間の接続料の精算による影響で落ち込んでいるものの、月次では2013年2月に底打ち。反転のペースに入ったという(写真2)。同社が他社との差別化戦略として推進する3M戦略も、「期初の予想を大幅に上回った」(田中社長)。

 FTTHおよびケーブルテレビなど指定の固定通信サービスと組み合わせて利用することでauスマートフォンの利用料金を割り引く「auスマートバリュー」は、2013年3月までにモバイル側が386万契約、固定側が212万契約に達した(写真3)。モバイル側はスマートフォンの新規契約の39%が加入、固定側はauひかりの新規契約の55%が加入しているといい、「新規契約への貢献がどんどん高まっている」(田中社長)という。

写真2●au通信ARPU(データARPU、音声ARPUに割引適用額を差し引いた値)の推移
写真2●au通信ARPU(データARPU、音声ARPUに割引適用額を差し引いた値)の推移
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写真3●auスマートバリューの契約数の推移
写真3●auスマートバリューの契約数の推移
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 月額390円でダウンロードし放題にするサービスなどで構成する「auスマートパス」についても好調で、2013年3月までに契約数は574万に達した。その他、期初に掲げた重点項目の一つであるデータオフロード率(最繁時である23時台における月間総データ量に対するデータオフロード)については、2013年3月には52%となり、目標として掲げた50%を超えた。