写真1●2013年3月期連結決算を発表するソフトバンクの孫正義社長
写真1●2013年3月期連結決算を発表するソフトバンクの孫正義社長
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 ソフトバンクは2013年4月30日、2012年度(2013年3月期)連結決算を発表した。売上高は前年度比5.5%増の3兆3783億円、営業利益は同10.3%増の7450億円と増収増益だった。売上高は3期連続で過去最高、営業利益は8期連続で最高益を記録した。

 説明会に登壇した孫正義社長(写真1)は、2013年度(2014年3月期)の国内営業利益(国際会計基準)の見通しについて、「ガンホー連結化に伴う一時益約1500億円を含むが、1兆円超の大台に載せる」と胸を張った。さらに「一時的ではなく、コンスタントに超えるようにしたい。これまでは『NTTドコモに迫る』と説明してきたが、今期は確実に営業利益で超える」とした。

 好業績をけん引した携帯電話事業の売上高は前年度比6.2%増の2兆2774億円、営業利益は同9.0%増の4678億円だった。iPhone/iPadを中心に2012年度は353万1000件の純増数を獲得した。2012年度の携帯電話端末の出荷台数は前年度比12万4000台減少の1155万8000台、販売数は同81万2000件増の1311万3000件。解約率は同0.03ポイント改善して1.09%となった。

 総合ARPU(契約当たり月間平均収入)は前年度比170円減の3990円。このうち音声ARPUは同250円減の1400円、データARPUは同80円増の2590円だった。音声ARPUは音声通話機能がないデータ通信端末の増加で希薄化した。同様にデータARPUについても「みまもりケータイ」などの増加で希薄化が進んでいるが、ARPUが高いスマートフォンの比率が増加しており、上昇基調を維持した。

 さらにPHSサービスを展開するウィルコムの更生債権ならびに更生担保権の約270億円を一括弁済することも明らかにした。弁済完了後、裁判所が更生手続きの終結を決定次第、2013年度第2四半期から連結子会社化を予定する。「今後はソフトバンクのネットワークを活用し、LCC(ローコストキャリア)としての価格とサービスで事業を拡大させていきたい」(孫社長)とした。