写真1●トヨタ自動車 e-TOYOTA部の山田博之部長
写真1●トヨタ自動車 e-TOYOTA部の山田博之部長
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●日本マイクロソフト 執行役 常務 エンタープライズ担当の小原琢哉氏(実際の名前の「琢」は旧字)
写真2●日本マイクロソフト 執行役 常務 エンタープライズ担当の小原琢哉氏(実際の名前の「琢」は旧字)
[画像のクリックで拡大表示]

 トヨタ自動車は2013年4月26日、米マイクロソフトの支援を受けて、同社の自動車情報サイト「GAZOO.com(ガズー・ドット・コム)」に、クラウドサービス「Windows Azure 仮想マシン」とコラボレーションプラットフォーム「SharePoint Server 2013」を組み合わせたサイト運営プラットフォームを採用したと発表した。新プラットフォーム上でサイトコンテンツを刷新し、2013年5月30日にリニューアルオープンする。

 GAZOO.comは、トヨタが若年層のユーザー獲得を目的として1998年に開設したポータルサイト。新車・中古車情報、ドライブ情報を掲載するほか、3D仮想空間やブログといったユーザー参加型のコンテンツを提供する。同社 e-TOYOTA部の山田博之部長(写真1)は、「20代~30代を中心に月間約165万人のアクセスがあり、期待した効果を出している」としながらも、「スマートフォンやSNSなど次々と現れる技術トレンドに対応するため、1ページ当たりの制作・運用コストが増加し続けていた。コンテンツの運用維持コストの削減が課題だった」と説明した。

 今回のサイトリニューアルでは、GAZOO.comのシステム基盤をオンプレミスからマイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure」上へ移行。サイト運営プラットフォームとして、Windows Azureの新サービスであるWindows Azure仮想マシン(仮想化されたサーバーOSをクラウド上で実行する機能)と、コラボレーションプラットフォームの最新製品SharePoint Server 2013を採用した。山田氏は、サイト内の各コンテンツがWindows Azureに集約されることで、コンテンツの維持・管理コストが半減すると試算する。

 日本マイクロソフト 執行役 常務 エンタープライズ担当の小原琢哉氏(実際の名前の「琢」は旧字、写真2)によると、Windows Azure仮想マシンとSharePoint Server 2013を組み合わせた導入は、世界初の事例だという。「新サイトでは、約30万ページのコンテンツをすべてWindows Azureに格納したうえで、SharePointの検索エンジンを使いユーザーが求める情報を迅速に検索・表示する。AzureとSharePointを組み合わせたシステムならではの検索性能とレコメンデーション性能を実現した」(小原氏)。

 Windows Azure仮想マシンおよびSharePoint Server 2013の導入に当たっては、要件定義の段階から、マイクロソフト米国本社の開発部門、および日本マイクロソフトのコンサルティングチームが支援した。また、アプリケーションの実装工程では、インドに拠点を置くマイクロソフトの関連会社「Microsoft Services Global Delivery(MSGD)」でオフショア開発を行ったという。