欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は現地時間2013年4月25日、米Googleが提案した検索および検索広告関連の運営手法見直しについて、競合社やユーザーなど関係者から意見を募集すると発表した。見直し案には、検索結果における自社サービスへのリンクの表示方法変更などが盛り込まれている。

 ECは、GoogleがWeb検索およびオンライン検索広告市場における独占的地位を乱用している疑いがあるとして2010年11月から調査を行ってきた。ECは罰金を科さずに解決する機会を与えるとして、2012年5月に4点の主な懸念を示した上で、対応策の原案を提示するようGoogleに促した。2013年3月に、これら懸念について競争法違反にあたるとの初期判断をGoogleに通達。Googleは4月に最終的な是正案を提出していた(関連記事:Google、検索分野の競争法違反問題で欧州委に是正案を提出)。

 ECが挙げた4点の懸念とは、1)Googleの一般検索の検索結果に、ニュース、商品および地域情報など垂直型の自社専門検索サービスへのリンクを優先的に表示していること、2)Googleの一般検索および専門検索サービスに、他社サイトからのコンテンツを同意を得ずに使っていること、3)Google検索を導入しているWebサイト(パブリッシャー)との契約において、ほぼすべての検索広告をGoogleから取得するよう義務づけていること、4)「AdWords」の検索広告キャンペーンや管理機能を他社プラットフォームに持ち出さないよう制限していることだった。

 Googleがこれらの懸念を解消するために出した提案は、今後5年間にわたり、自社専門サービスへのリンクにラベルを付けたり、枠で囲ったりするなどして、ユーザーが通常の検索結果とGoogleの宣伝リンクをはっきり区別できるようにする。また、自社専門サービスのリンクの近くに、3つの競合する専門検索サービスへのリンクを掲載する。

 さらに、すべてのWebサイトに対し、コンテンツがGoogleの専門検索サービスに使用されることを拒否できるオプションを提供する。拒否しても検索結果の順位に影響を与えることはないとしている。

 そのほか、パブリッシャーにGoogleからのみ検索広告を取得することを強要しないこと、競合検索プラットフォームを含めた検索広告キャンペーンの展開および管理を制限しないことも提案した。

 是正案に対する意見募集は1カ月間行われる。寄せられた意見などをもとにECが承認した場合、同是正案は法的拘束力を持つことになる。

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