米Bloombergは現地時間2013年4月25日に、米Amazon.comが、テレビと接続してインターネット経由で映画などの映像コンテンツを視聴できるセットトップボックス(STB)を開発していると報じた。

 Amazon.comは現在ビデオ配信サービス「Amazon Instant Video」を提供しており、同サービスはタブレット端末「Kindle Fire」シリーズやiOS向けアプリケーション、「Xbox 360」などのゲーム機、他社製STBやテレビなどで利用できる。だが、Amazon.comは自社独自のSTBを市場投入することで、より直接的に家庭のリビングルームにサービスを提供したいと考えているという。

 Amazon.comは、米カリフォルニア州クパチーノに「Lab126」と呼ぶ研究・設計部門を持っている。Bloombergは、事情に詳しい関係者の話として、Amazon.comのSTBはこの研究部門で開発されていると伝えている。このSTB開発プロジェクトは、米Cisco Systemsで消費者向け映像事業を手がけ、米Appleにも在籍した経歴を持つMalachy Moynihan氏が統括しており、米TiVoや米VuduのエンジニアだったAndy Goodman氏や、米ReplayTVのハードウエア技術者だったChris Coley氏などが加わっているという。

 価格については不明だが、 Jeff Bezos最高経営責任者(CEO)のこれまでの戦略通り、原価と同じかそれ以下になるとみられる。製品の市場投入時期は2013年中。過去5年間の同社ハードウエア事業の経緯を考えると、製品名として最もありそうなのは「Kindle TV」だとBloombergは伝えている。

 Amazon.comの最新の発表資料によると、Amazon Instant Videoでは現在、合計15万本以上の作品を提供している。利用者は作品を1本単位で購入したり、レンタルしたりできる。またAmazon.comは米国で「Amazon Prime」と呼ぶ有料の商品配送優遇プログラムを提供しており、同プログラムの会員には追加料金なしで約3万7000本の映像作品を視聴できる特典「Prime Instant Video」を提供している。