日本IBMは2013年4月24日、大量データを高速に処理する用途を狙い、Hadoopを使ったデータ活用パッケージの新版「IBM InfoSphere BigInsights V2.1」と、CEP(複合イベント処理)/ストリーム処理ソフトの新版「IBM InfoSphere Streams V3.1」を発表した。BigInsightsの新版では、SQL処理系を追加して開発生産性を高めたほか、SPOF(単一障害点)を無くして可用性を高めた。

 BigInsightsは、Hadoopを用いたデータ処理システムを構築/運用しやすくするソフト。Hadoopクラスターを構成するためのインストーラーや管理コンソール、MapReduce処理をアプリケーションから利用しやすくするOSSのツール群(Pig、Hive、その他)、Eclipseベースの統合開発環境---などを提供する。ジョブスケジューラーやワークフローエンジンなども備える。

 今回の新版では、開発生産性と可用性を高めた。まず、SQL言語を使ってHadoop(MapReduce処理)を利用するための“BigSQL機能”を追加した。SQL言語で開発できるようになるほか、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)向けに開発したクライアントアプリケーションをそのまま活用できるとしている。一方、可用性では標準ファイルシステム(HDFS)の代わりに「GPFS」を利用できるようにしたことで、ネームノードがSPOF(単一障害点)となる現象を回避した。

 もう一つのソフト、Streamsは、CEP(複合イベント処理)/ストリーム処理ソフト。流れてくる(入力されてくる)データの内部に現われる、データ同士の関連性などのイベントをリアルタイムに分析処理し、こうしたイベントに応じて業務ルールを逐次実行する。今回の新版では主にパフォーマンスを高めた。

 価格(税込み)は、BigInsights V2.1が114万7000円から、Streams V3.1が445万2000円から。いずれも2013年5月中に販売を開始する予定。