米Appleが現地時間2013年4月23日に発表した2013会計年度第2四半期(2013年1~3月)の決算は2桁の減益となったが市場予測を上回った。同社は株主還元を倍増する計画も明らかにした。

 第2四半期の売上高は436億300万ドルで前年同期と比べ11%増加した。会計原則(GAAP)ベースの純利益は95億4700万ドル(希薄化後の1株あたり利益は10.09ドル)で同18%減少した。粗利益率は37.5%となり、前年同期の47.4%から縮小した。

 アナリスト予測は売上高が425億9000万ドル、1株あたり利益が10.07ドルだった(米Forbesの報道)。

 第2四半期におけるスマートフォン「iPhone」の販売台数は3740万台で、前年同期から7%増加。タブレット端末「iPad」は1950万台と、同65%増加した。「Mac」コンピュータは同2%減の400万台、携帯型メディアプレーヤー「iPod」は同27%減の560万台だった。

 地域別業績を見ると、米大陸の売上高が140億5200万ドルで前年同期比7%増加、欧州が98億ドルで同11%増加した。中国(香港と台湾を含む)は同8%増の82億1300万ドル、日本は同19%増の31億3500万ドルとなった。アジア太平洋地域は31億6200万ドルで同26%急伸した。米国外からの売上高が総売上高に占める割合は66%となる。

 同社は2013会計年度第3四半期(2013年4~6月)の見通しについて、売上高を335億~355億ドルの範囲、粗利益率を36~37%の範囲と予測した。

 また同社は、昨年発表していた株主還元策に550億ドルを積み増し、2015年末までに総額1000億ドルを株主に還元する計画を発表した。自社株買いは昨年の100億ドル規模から600億ドル規模に拡大する。5月16日に実施する株主配当は、15%増の3.05ドルとする。

 米CNET News.comの報道によると、Appleが減益を報告するのは2003年以来ほぼ10年ぶり。しかし予測を上回ったことや株主還元策の拡充が好感され、同社の株価は時間外取引で一時5.19%上昇した。なお第3四半期についてアナリストらは売上高を386億ドル、粗利益率予測を38.6%と予測している。

[発表資料(決算)]
[決算資料(PDF文書)]
[発表資料(株主還元策)]