IDC Japanは2013年4月22日、2013年の国内IT市場規模が前年比0.1%減の13兆8771億円にとどまるとの予測を発表した。スマートフォンブームの一巡と成長鈍化、ハードウエア市場のマイナス成長、外需低迷などが原因。アベノミクスの経済活性化策が波及するには時間が必要だという。

 分野別では、ハードウエア市場が同3.1%減の6兆3442億円、ITサービス市場は同1.9%増の5兆309億円、パッケージソフトウエア市場は同3.7%増の2兆5020億円。ITサービスとパッケージが堅調に推移する一方で、ハードウエア市場の縮小が全体に影響を及ぼしている。また、国内通信サービス市場を加えた「国内ICT市場」は同0.7%増の25兆3719億円になると予測している。

 2012年から5年間では、2017年にIT市場が13兆9525億円、ICT市場が24兆6783億円と、横ばいあるいは縮小を予測している。この間の年間平均成長率(CAGR)は、IT市場が0.1%増、ICT市場が0.4%減となる見通し。

 同社によると、2013年度以降は「クラウド」「モビリティ」「ビッグデータ」「ソーシャル技術」で構成される「第3のプラットフォーム市場」がIT市場の構造変化をリードするという。特に日本ではクラウド化が世界に比べて遅れており、労働生産性低迷の一因になっていると指摘している。