SCM(サプライチェーン管理)ソフトのアプリソ ジャパンは2013年4月22日、世界に展開している製造業向けのデータ分析ソフト「グローバルエンタープライズ製造インテリジェンス(EMI)」を本格的に提供すると発表した。「製品に不具合があった場合でもすぐに追跡できる仕組みを提供できる。品質向上に寄与するソフト」と米アプリソ プロダクトマネージメント・ストラテジーのトーマス・コムストック マーケティング担当エグゼクティブヴァイスプレジデントは説明する。米国では16日に出荷済みだ。

 EMIは工場の生産管理システムや、物流システムから分単位でデータを取得し、製造にかかわる担当者に必要な形式の情報に加工する機能を提供する。経営者向け、工場のライン管理者向け、各拠点の責任者向けなど「400以上のKPI(重要業績指標)を事前に用意し、導入してすぐに利用できることが特徴」(コムストック氏)という。利用者がKPIを設定する機能もある。

 アプリソでは、工場の管理機能などを提供する実行系SCMソフト「FlexNet」が主力の製品だ。EMIは「FlexNetを補完する」(コムストック氏)位置付けとなる。ただしFlexNetを利用していないくても導入できるほか、「独SAPのERP(統合基幹業務システム)パッケージなどに対しては、データ連携用のアダプタを別途用意している」とコムストック氏は話す。

 EMIの導入費用は2000万円からを想定している。コムストック氏は、「日本の製造業は国内工場では素晴らしいノウハウを持っている。だが拠点ごとにシステムが異なり、日本のノウハウを海外に展開できていないケースが多い。FlexNetやEMIを導入することで、最適な生産管理を実現できる」と強調する。