写真1●ウインドリバー、ドイツ法人のアンドレアス・ブッフウイザー氏
写真1●ウインドリバー、ドイツ法人のアンドレアス・ブッフウイザー氏
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写真2●ウインドリバーの製品群
写真2●ウインドリバーの製品群
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 組み込みソフトウエアを提供するウインドリバーは2013年4月19日、都内でソフトウエア開発の機能安全・安全認証に関するセミナーを開催した。リスクを軽減する機能安全や、仮想化、マルチコア技術などを用いた同社の安全認証基盤技術について説明した。
 
 まず、ウインドリバーのドイツ法人プロフェッショナル・サービス部門で安全認証担当ダイレクタをつとめるアンドレアス・ブッフウイザー氏が講演した(写真1)。同氏は、電気、原子力発電、交通、医療などの分野で、組み込みソフトウエアの機能安全を担当している。

 ブッフウイザー氏は、機能安全について説明した後で、同社の製品について言及。たとえば、Simicsという機能安全認証用ハードウエア障害解析ツール(ボードシミュレーター)について、「実際にハードウエアに障害解析を実施すると、壊れてしまう可能性がある。Simicsを利用すれば、ハードウエアは不要。フォールトインジェクション(故障注入)などの高速なシミュレーションを、PC上で実施できる」と解説した。

 続いて、ウインドリバー営業技術本部のテクニカルアカウントマネージャー嶋津東彦氏が、シングルコア向けVxWorks 653などに加えて、仮想化技術を用いてマルチコア対応を実現したWind River Hypervisorなど同社の製品群について説明した(写真2)。Hypervisorは、単一デバイス上で複数のOSが利用できるようになり、柔軟な構成によるシステムの効果的な活用が可能になる。

 VxWorksをベースとした医療機器開発用ソリューションにも触れた。現在ユーザーに医療機器の認証を得るためのサマリーを無償で作成するサービスを実施しているが、「有償で、より詳細な最大数百ページにも上るドキュメントを作成するサービスを提供する予定」と語った。米国FDAの基準に対応するもので、日本市場への対応は一部のみという。