写真1●秘文Cloud Data Protectionのデモの様子(画面左はクライアントソフト、画面右はiPad用の専用ビューアーからサーバーにログインする画面)
写真1●秘文Cloud Data Protectionのデモの様子(画面左はクライアントソフト、画面右はiPad用の専用ビューアーからサーバーにログインする画面)
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写真2●日立ソリューションズ、プロダクトソリューション事業部、プラットフォームプロダクト本部長の臼井誠剛氏
写真2●日立ソリューションズ、プロダクトソリューション事業部、プラットフォームプロダクト本部長の臼井誠剛氏
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 日立ソリューションズは2013年4月22日、Dropboxなどのファイル同期サービスに保存するファイルを自動的に暗号化するセキュリティソフト「秘文Cloud Data Protection」(秘文CDP)を発表した(写真1写真2)。社外でファイルを閲覧するためのiPad/iPhone用ソフトも用意し、社内文書を社外に安全に持ち出せるようにする。無償で使える評価版を5月31日に配布し、8月30日から製品版を販売する。

 秘文CDPは、ファイル暗号化ソフト群である秘文シリーズの新製品であり、ファイル同期型のオンラインストレージサービスを安全に使うことに特化している。DropboxやSkyDriveなど、パソコン上に専用の同期フォルダーを設定するタイプの各種のオンラインストレージサービスで利用できる(対応を表明しているサービスはbox、Dropbox、SkyDrive、Google Driveの4種類)。

 ソフトウエアは、インターネット上で暗号鍵を管理するサーバーソフトと、Windowsパソコン上で実際にファイルを暗号化/復号するクライアントソフトで構成。価格は個別対応だが、1ユーザー当たりのライセンス料金は「現状の秘文(1ユーザー当たり1万円)よりも安いか同等レベル」(日立ソリューションズ)。サービス事業者がSaaS型で提供する事業モデルも想定しており、この場合の料金は「1ユーザーあたり月額数百円規模になるのではないか」(同社)としている。

秘文CDPが格納先としてオンラインストレージを利用する仕組み

 実際の使い方はこうだ。まず、秘文CDPのクライアントを導入したWindows 7機から、秘文CDPのサーバー(Windows Server 2008 R2)にログインする。これにより、ユーザーが意識することはないが、裏では暗号/復号鍵(AES-256)を入手する。ユーザーはログイン認証後、オンラインストレージに保存したいファイルを、秘文CDP専用のローカルフォルダーにコピー/保存する。

 秘文CDPのフォルダーにファイルを生成(コピー/保存)したタイミングで、ファイルが自動的に暗号化される仕組み。秘文CDPはここで、暗号化済みのファイルを、オンラインストレージの同期フォルダーに自動的に移動する。このステップが介在することによって、最終的にはオンラインストレージに暗号化済みのファイルが格納される仕組み。

 オンラインストレージ上にある暗号ファイルを閲覧するためのソフトとして、Windows 7用のクライアントソフトのほかに、iPad/iPhone用の専用ビューアー(閲覧専用ソフト)も用意した。iPad/iPhoneから秘文CDPのサーバーにログインすれば、外出先でファイルを復号/閲覧できる。なお、オフライン機能も備えており、実際にログインしなくても、ダウンロード済みのキャッシュ情報を利用してログイン手続きとファイルの復号/閲覧を可能にできる。