米Appleの音声アシスタント機能「Siri」について、米誌WIREDの電子版がプライバシーの懸念を示す記事を掲載したことに対し、Appleから回答があったとWIREDサイトが現地時間2013年4月19日に報じた。ユーザーがSiriに向かってつぶやいた内容は匿名で最大2年間、Appleのサーバーに保存されるという。

 WIREDによると、同誌サイトが4月18日の記事で、Siriのプライバシーポリシーにおける不明瞭な情報開示を指摘すると、その後Apple広報担当のTrudy Muller氏からSiriの仕組みについて電話で説明があった。

 ユーザーがSiriに話しかけるたびに音声データはAppleに送られる。Appleはユーザーにランダムな数字(Apple IDや電子メールアドレスではない)を割り当て、その数字と音声ファイルを関連づける。6カ月過ぎると数字と音声ファイルの関連性は切り離されるが、ファイル自体はテストおよび製品改良のために、さらに最大18カ月保存される。

 Muller氏は、「音声データの収集はSiriを向上させるためであり、匿名性を確保している」と強調した。

 Siriに関するプライバシーの懸念を最初に掲げた米国自由人権協会(American Civil Liberties Union:ACLU)のNicole Ozer弁護士はAppleに対し、SiriのFAQページにプライバシーポリシーの説明へのリンクをつけるべきだと述べている。また、Siriのデータが直接ユーザーに関連付けられていないとしても、ユーザーはSiriにしゃべる内容に気を配るべきだと忠告している。