日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2013年4月19日、同社の創業50周年記念イベントの中で、“Software Defined Server(ソフトウエアで定義するサーバー)”のコンセプトに基づく省電力/省スペースサーバー「HP Moonshot System」を国内で発売すると発表した(写真1)。
米HP バイスプレジデントのJim Ganthier氏(写真1左)は、新製品を「アプリケーション(ワークロード、処理)の特性に合わせてサーバーを最適化する(Software Defined Server)という、これまでの汎用サーバーとは全く異なるアプローチで開発した」と説明した。
HP Moonshot Systemは、高さ4.3Uの専用シャーシ「HP Moonshot 1500シャーシ」(写真2)に、用途に合わせてスペックを最適化したカートリッジ型サーバーを最大45枚収容できる。専用カートリッジ型サーバーの第1弾として、専用ホスティングサービス基盤や、フロントエンドのWebサーバー用途を想定した「HP ProLiant Moonshotサーバー」をリリース。同日、専用シャーシと同時に提供を開始した。価格は45ノード構成で1222万2000円から。
HP Moonshot 1500シャーシは、きょう体上部には45枚の専用カートリッジと2台のスイッチモジュールを収容可能。きょう体背面には、最大5個のホットプラグ対応ファン、最大4個のホットプラグ対応電源モジュールをセットできる。また、背面にHP iLO 4マネジメントチップと専用ファームウエアを実装したマネジメントモジュールを備えており、遠隔からの複数ノードの管理・運用を実現する。
HP ProLiant Moonshotサーバーは、米IntelのAtomプロセッサーS1260(2コア、2.0GHz)を1基、メモリーはECC対応DDR3 SO-DIMMスロット(8Gバイト)を1基、2.5インチSATA HDD/SSDベイを1基、1Gbネットワークを2ポート搭載する。消費電力は最大19W。
新製品の最大の売りは、省スペース性と省電力性だ。同社常務執行役員 エンタープライズインフラストラクチャー事業統括の杉原博茂氏(写真1右)は、「チップベンダーとの協業により、サーバーマザーボード上のモジュールをワンチップ化(System on a Chip)することで、異次元の省電力化と省スペース化を実現した」と述べた。今回発売したHP ProLiant Moonshotサーバー45台搭載のHP Moonshot Systemと、現行の1Uラックマウント型サーバーと同等台数で比較した場合、スペースを80%、消費電力を89%、配線ケーブルを97%それぞれ削減したという。