2013年4月16日に行われた「新経済サミット2013」の午後の講演には、シリコンバレーなど米国で活躍する起業家やベンチャーキャピタリストが登壇、「イノベーションの新潮流」や「イノベーションにおける起業家とVCの役割」をテーマに議論した。
イノベーションの新潮流をテーマにしたセッションでは、日本における規制が話題の一つ。ここでは、「ロビー活動に弱い当局は、社会の恩恵をどう実現するか考えるべき」(Uberのトラビス・カラニック氏)といった指摘があった一方、法律は常に遅れているという認識のもと「個人の認証など、政府がやると時間がかかるものは、技術系のベンチャー企業が進んでやったほうがより迅速にできる」(Airbnbのブライアン・チェスキー氏)と役割分担の重要性を提案する声もあった。
イノベーションにおける起業家とVCの役割をテーマにしたセッションでは、登壇した全スピーカーから日本人へのエールやアドバイスが寄せられた。「日本人は悲観的にみているが、海外から見れば魔法のようにすばらしい場所。自信を持って」(Evernoteのフィル・リービン氏)、「積極的になればもっと成長できる」(Domoのジョシュ・ジェームス氏)、「税制などでグローバルレベルのインセンティブを作るべき」(DCMの茶尾克仁氏)などだ。
とりわけ象徴的だったのは500 Startupsのジョージ・ケラマン氏のスピーチ。同氏は会場にいるスタートアップ関係者に立つように促し、「このリスクを取って、次世代のビジネスを作っている人たちを祝福してください」と呼びかけたのだ(写真)。さらに、それ以外の人たちも立たせて「日本だと出る杭は打たれると言うでしょう。全員が立てば打たれない。みんなで日本を変えましょう」と語りかけ、来場者の拍手喝采を受けた。
[関連記事:新経済サミット開催 AndroidやTwitterなどの生みの親たちが語る「破壊的イノベーション」]
[関連記事:「日本からも破壊的イノベーションを」、新経済サミットで伊藤穣一Media Lab所長らが提言]