写真1●RACCOONの画面(変換定義)
写真1●RACCOONの画面(変換定義)
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写真2●RACCOONの画面(項目間のマッピング)
写真2●RACCOONの画面(項目間のマッピング)
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 データ・アプリケーション(DAL)は2013年4月16日、異なるシステム間で業務データを連携させる処理をノンプログラミングで開発/実行するソフト「RACCOON」(写真1写真2)を発表した。EAI(システム連携)やデータ移行/加工など、各種のデータ変換処理に利用できる。現時点では開発途中のα版に相当し、製品出荷は2013年9月末を予定する。価格は未定。

 業務システムのデータを変換/加工するソフトである。システム間のデータ連携や、旧システムから新システムへのデータの移行など、任意の使い方ができる。各種のデータソース(データベースサーバーやCSV/XMLなど)からデータを入力し、これらのデータを変換/加工し、変更後のデータを出力する。

 ソフトウエアは大きく、変換ルールのマッピングツール「RACCOON Developer Studio」と、実行エンジン「RACCOON Transform Engine」の二つに分かれる。

 (1)のRACCOON Developer Studioは、変換/加工ルールをビジュアル設計するためのデザイナー(エディター)ソフトである。データの接続先の定義や、データのフォーマットの定義、データの項目同士のマッピングなどを、アイコンや項目名をドラッグ&ドロップする操作で設計できる。GUIには、Eclipse RCP(Rich Client Platform)を採用した。

 (2)のRACCOON Transform Engineは、実行時に使う変換エンジンである。データ変換、フォーマット変換、漢字コード変換を高速に処理する。データ変換時には、データのソート/マージ/JOIN/分割/結合などができる。処理のループ制御やカウンター制御も可能である。文字コードは、各種漢字コードやEBCDICなどを扱うことが可能で、最大1万6000字の外字登録ができる。

 RACCOONを開発した意図は、接続対象のシステムや目的ごとにデータ連携プログラムが独立して開発されているという状況を変えることという。こうした環境では、データ変換プログラムの仕様書も残されていないという。これに対してRACCOONでは、システム間のデータ連携定義を一度作成すると、これを部品化して再利用できる。さらに、作成した変換定義は仕様書として出力できるという。