日立製作所は2013年4月16日、事業拡大に向け、海外での研究開発体制を強化すると発表した。

 具体策としては、まず海外の研究人員を増員する。現在日立が抱える海外の研究開発人員は280人だが、2015年度までに400人に拡大する。また、現地の人財を積極的にリーダーへと登用し、地域に密着した研究開発を加速する。

 2013年6月には、新たな研究拠点として「ブラジル研究所」を開設する。現在日立では、日本、米国、欧州、中国、アジア、インドの6地域に研究拠点を設置しており、ブラジル研究所は7番目の拠点となる。ブラジルは日立グループの注力地域の一つだという。

 地域の特性を活かした研究開発を推進するために、各地域の研究拠点内にある研究室の充実を図る。これまでにも日立は、2012年10月に英国にて「欧州鉄道研究開発センタ」を、2013年4月に中国にて「日立中国材料技術創新センタ」を開設したが、同じく4月中に米国にて「米国ビッグデータラボ」を開設する予定だ。

 日立では、海外での研究開発体制を強化することで、地域に根ざした研究開発活動を展開するとともに、創造性やイノベーション誘発の源泉となる多様な経験や経歴、発想を取り入れた研究開発を推進し、海外事業のさらなる拡大を目指すとしている。