検索分野における米Googleの欧州競争法違反問題を巡り、Googleが欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)に和解に向けた是正案を現地時間2013年4月11日までに提出したと、複数の米英メディア(Wall Street JournalReutersCNET News.comなど)が報じた。

 この問題は、Googleの検索サービスを巡る商慣行について、競合企業がECに苦情を申し立てたことに端を発している。ECは欧州の価格比較サイトなどの垂直型検索サービス企業からの苦情に応えて、2010年11月にGoogleに対する正式調査を開始した(関連記事:欧州委員会、競争法違反の疑いでGoogleの正式調査を開始)。その後ECは2012年5月に、Google検索結果でレストランやショッピングといった自社独自の垂直型検索サービスへのリンクを設けていることなど、支配的地位の乱用と考えられる4点の懸念を示した上で、迅速な問題解決に向けた救済の機会を与えるとして対応策の原案を提示するようGoogleに促していた(関連記事:Google、罰金と制裁措置を回避できる可能性、欧州委員会が改善策の提示求める)。

 今回Googleが提出した最終的な是正案は、検索分野に関わる競合社などから意見を募るマーケットテストを通じて、承認するかどうかの判断が下される。是正案が認められればGoogleは巨額の罰金を回避できる。Googleは米国でも検索サービスに関して同様の調査を受けたが、今年1月に米連邦取引委員会(FTC)と和解している(関連記事:Google、反トラスト法違反調査でFTCと和解)。しかしFTCとの和解の場合と異なり、ECに提出した是正案は法的拘束力を持つことになる。

 是正案の詳細は、GoogleもECも明らかにしていない。関係者の話によると、「Googleサービスへのリンクについて、検索結果順位とは別に自社サービスを宣伝しているということをユーザーが認識できるよう特別のラベルを付ける」「他社サービスやサイトを3つ以上、目立つところに配置する」などの案が盛り込まれているという。

 なおGoogleは検索分野の問題とは別に、モバイルプラットフォーム「Android」についても欧州当局の追及を受けることになりそうだと、複数の米メディアが4月9日に報じている(関連記事:Google、今度はAndroidの問題で欧州当局の調べを受けることに、米メディアが報道)。