ノート・デスクトップ・タブレット合計の3月販売台数は前年比6.2%減。金額ベースでは10.5%減となった
ノート・デスクトップ・タブレット合計の3月販売台数は前年比6.2%減。金額ベースでは10.5%減となった
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タブレットはNexus 7やiPad miniと7型液晶の人気商品が発売となり、販売台数を伸ばした
タブレットはNexus 7やiPad miniと7型液晶の人気商品が発売となり、販売台数を伸ばした
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 家電やIT機器の実売データ「BCNランキング」を集計しているBCNは2013年4月11日、2013年パソコン春商戦の状況を総括する説明会を開催した。タブレットの人気が高まる一方で、新OSのWindows 8が登場したにもかかわらず、1年で最大の商戦期である3月には金額ベースで前年比マイナス10.5%に落ち込んだ。Windows 7搭載モデルと比べたときの割高感やタッチパネルの不足が影響した。

 パソコン製品全体の販売台数は大幅に落ち込んだ。ノート、デスクトップ、タブレットをまとめた3月の販売台数は前年比6.2%減。金額ベースでは10.5%減となった。ノートだけ見ると22.5%減、デスクトップは32.8%減。「新OSのWindows 8が出たばかりにもかかわらず、この状況となった。パソコン市場は大きな転換期を迎えた」(BCNランキングデータ・メディア部部長エグゼクティブアナリストの道越一郎氏)と、パソコン市場の縮小に危機感を示した。

 不振の要因としてタッチパネルの不足を挙げた。Windows 8ではタッチ機能に対応した新UIを追加したものの、「タッチパネルの供給の問題もあり、ノートパソコンの中でタッチ対応をした製品の販売構成比が16.5%しかない」(道越氏)ことが響いた。タッチ機能を搭載したWindows 8の新製品は価格帯が高く、割高感があったことも影響した。

 ノートパソコンの中では薄型軽量の「Ultrabook」製品の比率が徐々に高まりつつある。3月は11.1%となり、前年同期の2.8%から大幅に伸ばしている。「モバイル特化した高級なパソコンという位置付けで存在感を出している」(道越氏)として、パソコン市場を盛り返すためのヒントとなりそうだと分析した。

 一方で、タブレットの市場は拡大している。3月は台数ベースで前年比96.8%増の伸びを見せた。デスクトップ、ノート、タブレットをまとめた販売台数の中でタブレットの構成比を見ると、従来は2割程度だったが、2012年11月以降は3割前後を維持し続けている。「タブレット市場を拡大した立役者がNexus 7。iPadが発売されてしばらくたつが、アップル1社では大きく伸びなかった。低価格のNexus 7が登場したことで、様子見していた層が試し買いをして火がついた」(道越氏)という。