写真1●中継回線を介して基調講演するラリー・エリソンCEO
写真1●中継回線を介して基調講演するラリー・エリソンCEO
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●エリソンCEOが主張する「Oracle Cloud」の強み
写真2●エリソンCEOが主張する「Oracle Cloud」の強み
[画像のクリックで拡大表示]

 日本オラクルは2013年4月9日、都内のホテルでプライベート・イベント「Oracle CloudWorld Tokyo」を開き、中継回線を介して基調講演したラリー・エリソンCEO(写真1)が同社クラウドサービスの強みをアピールした。

 エリソンCEOがまず強調したのは、SaaS/PaaS/IaaSのそれぞれの分野で大企業から中堅・中小企業まで、用途も社内からモバイルまで幅広く対応できる総合力(写真2)。クラウドへのシフトでアプリ分野の競合相手は独SAPから米Salesforce.com、インフラ分野の競合相手は米IBMから米Amazon.comにそれぞれ変わったが、「他のどのベンダーより包括的にソリューションを提供している」とする。SaaSでは、財務管理から人事管理、調達・在庫管理、営業・マーケティングまで100以上のアプリケーションを用意する。

 続いて、すべてのサービスが業界標準技術に基づいている点を挙げる。「クラウドサービスを利用すると他のシステムと連携しなければならなくなるため、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を採用した。企業は必要に応じてSQLやJava、HTML5といった標準技術を用いて機能を簡単に拡張できる。独自の技術を採用するベンダーは多いが、企業はロックインされてしまう恐れがあり、標準技術の採用は重要」(エリソンCEO)とした。

 このほか、Oracle ExadataとOracle Exalogicの活用による性能と可用性の高さ、必要に応じてパブリックとプライベートのサービスを柔軟に組み合わせて使える点などを紹介した。「特にOracle Exadataの高可用性には自信がある。完全冗長化で瞬時に切り替わる仕組みで、仮に障害が起こっても問題ない。(プラチナ・サポートの場合は)15分以内に対応することを保証しており、他社ではここまで約束できない」(同)とする。

 最後に「30日以内に出荷予定」(同)の「Oracle Databese 12c」にも触れた。Oracle 12cは、クラウド向けにデータベース層でマルチテナントを実現できる点が特徴。「従来のようにメモリーとプロセスをデータベースごとに配分・分離するのではなく、コンテナ・データベースに配分・共有する仕組みで、アプリの変更は不要。性能と拡張性も高く、1つのデータベースのように運用管理できる。アプリによるマルチテナントの実現はセキュリティ上の問題があり、安全性もはるかに高い」と強調した。