写真1●「ThinkPad Helix」のディスプレイ部は取り外しでき、タブレット機として独立して動作
写真1●「ThinkPad Helix」のディスプレイ部は取り外しでき、タブレット機として独立して動作
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写真2●ディスプレイ部をキーボードと反対に向けて取り付けることも可能で、「タブレット+(プラス)モード」と呼んでいる
写真2●ディスプレイ部をキーボードと反対に向けて取り付けることも可能で、「タブレット+(プラス)モード」と呼んでいる
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 レノボ・ジャパンは2013年4月9日、同社のビジネス向けノートPC「ThinkPad」シリーズの新型である「ThinkPad Helix」を発表した。

 最大の特徴は、液晶ディスプレイ部分がタブレット機として分離し、独立して動作することだ(写真1)。外出時には画面部分(タブレット)だけを持ち歩き、文章を作成する際には「キーボード・ドック」に付けてノートPCとして操作する、といった使い方を想定している。レノボは、ノートPCを使った際の生産性と、タブレット機が備える可搬性の両方を得たい企業ユーザーに向けて売り込む。

 レノボによれば、タブレット機を導入したものの、現場ではノートPCが手放せず、結局ノートPCとタブレット機を併用しているユーザー企業が少なくないという。「モバイル端末の台数が増えれば、運用管理の手間がかさみ、セキュリティ面のリスクも向上する。ThinkPad Helixであれば(ノートPCとタブレット機に対するそれぞれのニーズを)1台に集約できる」(レノボ・ジャパンの土居憲太郎ThinkClient Brand Manager)。

 ThinkPad Helixは、米インテルが提唱するPCの新カテゴリ「Ultrabook」に準ずる。細かい仕様はモデルにより異なるが、主要部分は同じ。液晶ディスプレイはIPS液晶で、サイズは11.6インチ型。解像度は1920ドット×1080ドットのフルHD。10点マルチタッチが可能。米コーニング社製「ゴリラガラス」を採用し、ディスプレイ部の強度を高めた。デジタイザー・ペン対応モデルと非対応モデルの両方を用意する。ペンはワコム製で2048段階の筆圧感知が可能で、タブレット本体に格納できる。

 重量は仕様によって変わるが最軽量のモデルの場合、タブレット部分は約785g、キーボード・ドックに取り付けた状態での重量は約1.61kg。レノボの土居氏は「タブレット部分が分離動作する脱着式のUltrabookとしては、日本最軽量」とする。

ノートPCとしては約12時間のバッテリー駆動が可能

 タブレットは、ディスプレイをキーボードとは反対の側に向けて取り付けることも可能(写真2)。閉じた状態を「タブレット+(プラス)モード」、タブレット部分を立てた状態を「スタンドモード」と呼んでいる。

 バッテリーによる駆動時間は、タブレット単体では約8時間、通常のノートPCとして使う形態の「ノートブックモード」では約12時間。タブレット側とキーボード側の両方にバッテリーを内蔵しており、それぞれ単体での充電もできる。

 プロセッサはインテル製Core i7もしくはi5。主記憶はSSDで、最大256GB。OSはWindow 8 Proなど。

 企業利用を意識して、インテルの運用管理技術である「vPro」に対応する。また、ケンジントン・ロックに対応した盗難防止用のロック機構「セキュリティー・スロット」を備える。タブレットのジョイント機構と連動しており、セキュリティー・スロットを引き出してロックをかけた際には、タブレット部分も取り外せないようになっている。

 法人向けモデルについては発表同日より販売パートナー経由で販売を始めた。また4月下旬にはレノボの直販サイトでも販売開始する。製品仕様の詳細とモデルごとの価格については同社のサイトで確認できる。4月9日の発表時点において最も安いモデルの価格は16万8000円となっている。