写真●米マイクロソフトのコーポレート・バイス・プレジデントであるブラッド・アンダーソン氏
写真●米マイクロソフトのコーポレート・バイス・プレジデントであるブラッド・アンダーソン氏
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 「『Windows Server 2012』や『System Center 2012』などの拡張性や可用性が高いのは、我々が『Windows Azure』など世界有数の巨大クラウドを運営し、そこでの経験をサーバー製品に反映させているからだ」――。米マイクロソフトのコーポレート・バイス・プレジデントであるブラッド・アンダーソン氏(写真)は、2013年4月8日(米国時間)に始まった「Microsoft Management Summit 2013」の基調講演で、同社の「クラウドOS」に関する戦略などを説明した。

 アンダーソン氏はまず、同社のクラウドに関する基本的な方針を説明。パブリッククラウドであるWindows Azureと同等の拡張性や可用性を、Windows Server 2012とSystem Center 2012によって、オンプレミス(プライベートクラウド)や、マイクロソフト以外のサービス事業者が提供するクラウドでも実現することだとした。

 その例としてアンダーソン氏は、米ドミノピザのプライベートクラウドの事例を紹介した。ドミノピザは現在、店舗で稼働しているPOSサーバーをWindows Serverの仮想化環境「Hyper-V」へと移行している。既に米国の750店舗に展開しており、今後はその規模を4000店舗に広げる。

 同社では既に1万5000台の仮想マシンが稼働しているが、ITインフラを担当するシステム管理者の数は2人にすぎないという。アンダーソン氏はこの事例で、運用担当者の数を増やさずにITインフラの規模を拡張できるWindows Server 2012とSystem Center 2012の組み合わせが、運用面で高い拡張性を持つとアピール。このような製品を実現できた背景に、マイクロソフトのクラウドでの運用経験があると説明した。

 アンダーソン氏は、さらにWindows Server 2012とSystem Center 2012の組み合わせが「クラウドOS」と呼ぶべき存在になっていると主張。「これまでのOSとは、単体のコンピュータのハードウエアを抽象化し、アプリケーションに対してプラットフォームを提供する存在だった。クラウドOSではその対象が、単体のサーバーレベルから、データセンターレベルに広がる」と語り、マイクロソフトのクラウドOSによって、(1)データセンター(DC)のすべての要素がソフトウエアでコントロール可能になる、(2)コスト効率の高い汎用ハードウエア(PCサーバー)のみでリソースプールが作れるようになる、(3)パブリックやプライベートのクラウド、パートナーのクラウドを通じて、システム運用の一貫性を保てるようになる、と述べた。