写真1●米Acronisでプロダクト・マネジメント・ダイレクタを務めるブライアン・アルマー(Brian Ulmer)氏
写真1●米Acronisでプロダクト・マネジメント・ダイレクタを務めるブライアン・アルマー(Brian Ulmer)氏
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 アクロニス・ジャパンは2013年4月9日、スマートデバイスやMacから企業のデータを安全かつ適切に利用するためのサーバーソフト3製品を発表した(写真1)。

 (1)ファイルサーバーにアクセスするための「mobilEcho」、(2)ファイル共有/同期ソフトの「activEcho」、(3)MacでWindowsネットワークを使えるようにする「ExtremeZ-IP」---である。米Acronisが買収した米GroupLogicの製品群。いずれも4月24日に販売/出荷開始する。

 新製品は、スマートデバイス(Android/iOS)とMac(MacOS)に対して、Windowsクライアント並みのデータアクセス機能を提供するソフト群(関連記事:IT部門が抱えるBYODの課題を解決する---米アクロニス)。背景には、Windowsと並行して、これらデバイスが企業クライアントとして台頭してきたという状況がある。いずれの製品も、Active Directoryのユーザー/グループ情報を用いてセキュリティポリシーを使い分けるなど、Windowsネットワークとの親和性を図っている。

ファイルサーバーを安全に使うゲートウエイ

写真2●mobilEchoのアプリケーション画面(iPad)
写真2●mobilEchoのアプリケーション画面(iPad)
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 (1)のmobilEchoは、社内にある既存のファイルサーバーにスマートデバイスから安全にアクセスできるようにするゲートウエイサーバーソフト(写真2)。スマートデバイス上の専用アプリケーションからHTTPS経由でmobilEchoにアクセスし、mobilEchoの背後にあるファイルサーバー(CIFS/NFS/SharePoint)にアクセスする。

 mobilEchoの画面からフォルダーやファイルにアクセスできる。ローカル環境へのコピーやmobilEchoへのアップロードといった基本的なファイル操作のほか、ビューアによるファイルの閲覧、PDFファイルの加工(ハイライトや付箋など)、ローカル環境とmobilEchoサーバー側のファイル同期(片方向、両方向)といった機能を提供する。

 セキュリティ機能にも注力しており、ファイルを利用可能なアプリケーションに制限をかけることができる。これにより、ファイルサーバー上にある機密文書をサードパーティー製のファイル共有ソフトを介してパブリッククラウドにアップロードするといった行為をシステム的に禁止できる。また、スマートデバイスの紛失時に管理サーバー側からデータをリモートワイプ(消去)する機能も提供する。

 価格(税別、以下同)は、最小構成(1ユーザー、3デバイス)で10万2000円から。100ユーザーで3年間使う場合は、ライセンスが257万6000円で保守費(2年目と3年目)が64万4000円(ライセンス定価の25%)×2年分、合計で386万4000円となる。1ユーザー当たりでは年額1万2880円、月額1073円に相当する。また、1000ユーザーで3年間使う場合は合計で1932万円となる。

“企業版Dropbox”も用意

写真3●activEchoのアプリケーション画面
写真3●activEchoのアプリケーション画面
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 (2)activEchoは、“企業版Dropbox”を実現するファイル共有/同期サーバーソフト(写真3)。スマートデバイス上の専用アプリケーションやWebブラウザー画面を介して、ユーザー企業が設置したactivEchoサーバーにアクセスして使う。特徴は、企業向けに各種のセキュリティを確保したことである。

 activEchoのセキュリティ機能の一つは、操作ログの保存機能。情報漏洩の際に痕跡を追跡するなど、監査証跡として利用できる。もう一つは、フォルダを第三者に対して公開/共有する際に、アクセス権限などを設定できること。フォルダの公開/共有は、指定したメールアドレス宛てに招待メールを通知する仕組み。ここで、ユーザーごとに、閲覧だけの許可や、閲覧と更新の許可を使い分けられる。また、メールアドレスのドメイン名をブラックリストに登録して招待を禁止できる。

 価格は最小構成(1ユーザー、3デバイス)で33万4000円から。50ユーザーで3年間使う場合は、ライセンスが103万円で保守費(2年目と3年目)が25万7000円(ライセンス定価の25%)×2年分、合計で154万4000円となる。1ユーザー当たりでは年額1万293円、月額857円に相当する。また、500ユーザーで3年間使う場合は合計で965万9000円となる。

 (3)のExtremeZ-IPは、MacとWindowsネットワークの互換性を高めるソフト。Macからアクセスする先のWindowsにインストールすることで、MacからWindowsのファイル共有/プリンタ共有機能にアクセスした際に生じる各種の不具合(開いたファイルが壊れるなど)を回避できる、としている。

 価格は最小構成で10万2000円から。