米Googleがスマートフォン向けメッセンジャーアプリケーションを手がける米WhatsAppの買収に向けて交渉をしていると、複数の海外メディアが米Digital Trendsの記事を引用する形で現地時間2013年4月8日に報じた。

 それによると、GoogleがWhatsAppと交渉をし始めてから4~5週間がたっているが、いまだ協議はまとまっていない。WhatsAppは強気の姿勢で買収金額を引き上げており、これまでのところ10億ドル近くにまで達しているとDigital Trendsは伝えている。

 WhatsAppは米シリコンバレーに本社を置く、米Yahoo!の元従業員2人が設立したベンチャー企業。同名の有料アプリケーションでは、テキストのほか、写真や動画、音声ノートなどをユーザー間で送受信できる。iOS、Android、 BlackBerry、 Windows Phone、Symbian向けを用意しており、クロスプラットフォームのメッセンジャーサービスを提供している。

 米Washington Post米VentureBeatなどの報道によると、WhatsAppのユーザー数は約3億人。毎日数十億のメッセージが送受信されている。

 こうしたリアルタイムのマルチメディア・メッセージ・アプリケーションは、モバイルユーザーの滞在時間を奪うといった点でGoogle+やFacebookなどのSNSにとって脅威。Facebookはモバイル最優先の方針を打ち出し、先ごろAndroid向けアプリケーション「Home」を発表した(関連記事:Facebook、新たなAndroidアプリ「Home」を発表、4月12日に公開)。Googleはモバイル分野で後れを取っており、Google+のユーザーに人気のメッセンジャーサービスを提供することで優位に立てる可能性があるとWashington Postは伝えている。